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中毒の診断 ~ 病理解剖的診断・科学的診断

中毒の診断 ~ 病理解剖的診断・科学的診断 家畜中毒

 
 

病理解剖的診断

 
 
剖検上の変化を以て中毒を判定し得る場合は甚だ少なく、多数の毒物、例えば麻酔毒の全部は生体に向って著しい変状を示し、臨床上の診断は容易ですが剖検上ほとんど認むべき変化のない場合が多く、寧ろこれが一つの特徴として中毒を証明する材料となります。
 
 
而して剖検上注意すべき診断事項は次の通りです。
 
 
嘔物、消化器内容を検し毒物の残片、葉、種子などを発見し得れば診断が容易です。
 
 
また、刺戟毒、あるいは刺戟麻酔毒の場合は消化管粘膜に炎症もしくは腐蝕性の変状すなわち発赤、腫脹、出血、粘膜剥離、潰瘍、クループ性乃至ジフテリー性病変、穿孔などを認めます。
 
 
その他一般変状としては筋および腺臓器の脂肪変性、内臓の溷濁腫脹(燐あるいは砒素中毒)、腎炎、膀胱炎、急性脳水腫、脊髄水腫、種々の臓器における出血、または血液の特異な変状、例えば漆黒色(塩酸加里)、桜実赤色(一酸化炭素)、静脈血の輝赤色(青酸)、脂肪血症(ヒマシ中毒)などです。
 
 
剖検はなるべく速やかを要し、死後多くの時日を経過し屍体が腐敗に傾くような場合は不明瞭となることがおおい。
 
 

科学的診断

 
 
中毒の診断に際して化学的検査が有力な根拠となる場合は砒素、水銀、銅、鉛などの重金属および他の無機物で、植物毒に比すれば容易です。
 
 
植物中の有機質は未詳なものが多く、従来提示されるものはアルカロイドに属する大多数と配糖体の若干です。
 
 
また化学的検査に際しては中毒動物より得た胃腸内容物、血液、尿、肝、腎、脾、脳などを使用する場合と飼料および飲水を検体とする場合があります。
 
 
しかしながら本試験は専門の技術と設備を要し、多くは試験所、研究所に材料を送付してその判定を求めます。
 
 

被検材料送付時の注意事項

 
 
(1)新鮮材料をなるべく速やかに入手する。
 
 
(2)容器は清浄で乾燥した硝子製を用い密閉すること。これにはパラフィンその他を以て入口を封じます。
 
 
(3)材料の変化を防ぐため容器を氷詰めにするか固形炭酸を以て冷却して送付すること。
 
 
(4)遠隔その他の理由で送付に日数を要し材料が変敗する虞のある場合は已むを得ず酒精を少なくとも同量注加し密栓後パラフィンで封口の上送付します。
 
 
この場合はホルマリン等の防腐剤は使用しないことが肝要です。
 
 
(5)容器には内容名を1箇毎に記載します。
 
 
(6)容器重量ならびに材料重量または容量を明記します。

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