早朝、鶏を全て庭に放して掃除をするのですが、1羽だけ段ボール箱で偽卵を抱いていて早朝に珍しく巣箱から出てきました。普段はお昼頃に巣箱を出て餌を食べてから砂浴びというパターンです。
良く見ると雌鶏の脚に血の跡があるじゃないですか。怪我をしているのかと思ってチェックしたのですが怪我はないし、どうもダニに吸血されてあまりの痒さに起きてきたみたいでした。
鳥の総排泄口付近と、翼の付け根部分の羽毛を掻き分けてチェックをしましたがダニは見つからず(眼が悪いので見えないだけかも)段ボール巣箱に敷いているタオルを捲ってみたところ黒い小さな【点】みたいなのがもう無数に動いているじゃありませんか、多分、トリサシダニでしょうか?大量に発生していました。
直ぐにゴム手袋を着用して段ボール巣箱ごと焼却処分。着用していたゴム手袋にもワラワラと登ってくるので手袋も燃やしました。ダニ類は夜間に鶏を吸血するそうで、まったく気付きませんでしたね。
直ぐにノックレンで羽裏や総排泄口付近に噴射。巣箱を置いていた付近にも念入りに噴射、ダニは放って置くとチャボでも死に至りますので要注意です。
ダニやワクモが寄生すると神経質になったり自傷したりします
本来は、鶏用のバイチコール(フルメトリン製剤)を使用していましたが、使い切ってしまってありませんでしたので、ノックレンを使用しましたがトリサシダニにはいまいち効果を実感できません。
ん~落ちる事は落ちるんですが、薬剤を噴射しても動いているし…
ノックレンは、羽虫とかシラミ・ノミとかに良いかも知れません。
【動物用医薬部外品】 ドギーマン NEWノックレン ペットバリア 300ml
バイチコールはダニの駆除薬としては一番効果が高く最も普及している薬です。
バイチコールの特徴
●全ての生活環ステージ作用する(虫卵以外)
●殺ダニ効果が高い
●即効的に作用する
●産卵阻害作用、孵化阻害作用を有する
●安全性が高い
●経皮吸収がほとんどない
ここで注意する事があります。バイチコールは皮下吸収がほとんどないことです。
例えばイベルメクチン製剤(劇薬)は頸元へ滴下すると皮下吸収し全身に行き渡り、ダニだけではなく体内の内部寄生虫まで駆虫します。イベルメクチン製剤は皮下吸収するのです。皮下吸収した薬剤を吸血したダニや線虫を駆虫するという事です。
一方、バイチコール(フルメトリン製剤)は皮下吸収をほとんどしません。フルメトリン製剤は背中にかけた薬剤が体表を伝って流れ落ち、体表に付いた薬液がダニを殺すという薬なんです。ですので、フルメトリン製剤は霧吹きにて鶏体全身に噴霧する必要があります。両翼の脇、肛門付近、胸などにシュッシュッと全身に噴霧して使用する必要があります。
フルメトリン製剤は非常に殺ダニ効果の高い薬です。しかし、全身に塗布しなければ効果は半減します。
意外と全身に塗布するって難しいんです。そこで使用するのがオイルミストスプレーです。霧吹きボトルも販売されていますが、すぐなくなってしまいます。そこで、オイルミストスプレーを使用します。
オイルミストスプレーとは料理の際に油の使い過ぎを防ぐために油をミスト状に飛ばすための物で、これにフルメトリン製剤をいれて局所に噴霧します。
手間はかかりますが、これだと薬剤の節約にもなります。バイチコールは【劇薬】ですので、手袋・マスクの着用、手に付着した場合は直ぐに手洗いをすることは言うまでもありません。
2019/10/20追記:ここで新たな情報を見つけましたので紹介しておきます。
鶏にバイチコールを使用する場合は、滴下でも十分効果があるそうです。
鶏1羽につき頸背部・ソノウの皮膚にバイチコール0.1mlを滴下します。効果は3ヶ月間持続するとのこと。
ですが、当方はやっぱりオイルミストスプレーでの噴霧で対処します。何故かというと、滴下ですと効果が表れるのに1週間くらい掛かると記載されていたからです。鶏体全身への噴霧ですと当日で大概のダニが落ちます。
因みにヒヨコには使用できないそうです。
フロントラインスプレーの効果
【動物用医薬品】フロントラインスプレー 犬/猫用 250ml
アルコールの匂いが強烈ですが、フロントラインスプレーもトリサシダニに効きます。
フロントラインスプレーの使用方法ですが、当方はトリサシダニが寄生しているような部位、例えば、総排泄腔付近とか腹、背、両翼の脇部分に2~3回スプレーして使い捨て手袋を着用して羽毛と地肌を良く揉みこみますと、ポロポロとダニが落ちてきます。
30日後に繰り返します。
アース・ダニノミとり粉
アース・ダニノミとり粉です。有効成分はフェノトリン(ピレスロイド系)で粉の殺虫剤になります。フェノトリンの特徴として、とくに残効性、速効性があります。
ピレスロイドは哺乳類や鳥類などの恒温動物の体に入っても速やかに分解され、短時間で体外へ排出されてしまいます。
動物の体内だけでなく自然界においても、光や空気、熱に触れると他の殺虫剤よりも分解しやすい性質があります。
アース・ダニノミとり粉は小さい雛など、スプレータイプが使用できない場合に使います。薄く粉を付けた綿棒で軽くポンポンと両翼の脇や腿の部分等に薄く振り掛けるようにして、3分程経ったら軽く掃って薬剤を落とします。
トリサシダニやワクモが寄生すると睡眠を阻害しますし、痒さで自傷したり放置しておくとて衰弱して落鳥することもあるので良くチェックしましょう。
【動物用医薬部外品】 アース・ペット アース ダニノミとり粉 無香料 犬猫用 80g