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未経産牛乳房炎(heifer mastitis)

未経産牛乳房炎 乳房と乳頭の疾患

 
 

未経産牛乳房炎(別名、夏季乳房炎)

 
 
集団で放牧育成されている若い未経産の雌の乳牛に乳房炎が発生することがあります。
 
 
発生率はあまり高くないが(牛群の3~5%)、いったん発症した分房は早期に治療をほどこしても全治することが稀れです。
 
 
したがって、その分房は妊娠し分娩したあとの泌乳能力がほとんどもしくはまったく失われて、無乳症agalactiaいわゆるメクラ乳になるものが大多数であるため、牛の価値が著しく低下する。
 
 
発生は夏に多いが、イギリスから報告されている夏季乳房炎は成牛に発生するものをも含んでおり、類似した点もあるが、両者がかならずしも同一の疾病であるとは断定できない面があります。
 
 
コリネバクテリウムの感染が原因となっていることが多いが、ブドウ球菌、レンサ球菌、バチルス、嫌気性菌などが検出される例も少なくない。
 
 
また乳頭に昆虫の刺咬の跡が多数認められるため、サシバエなどによる菌の媒介が疑われていますが、まだ確証はありません。
 
 
発症は急性で、39.5~41℃の発熱があり、元気、食欲が減退する。
 
 
分房は赤く腫脹し、熱感と疼痛があり、他の分房や下腹部に浮腫がひろがる。
 
 
搾ると漿液性、ブツを含む加水乳様、クリーム様、黄白色ないし帯緑黄白色の分泌物が、ごく少量から時には150ml得られる。
 
 
急性期をすぎると下熱し、分房の炎症徴候が減退する。あとにしこりがのこることがある。
 
 
病理組織学的にみると、乳腺組織よりも乳管系の傷害が著しく、ミルクの流出が妨げられている像が明らかで、腺組織はむしろ二次的に萎縮し、これらの結果から無乳症がおこると考えられます。
 
 
本性に対する効果的な治療法はまだ確立されていない。
 
 
多発する季節に乾乳期用乳房炎軟膏の注入と殺虫剤の牛体散布を併用することによって、かなりの予防効果が得られるようです。

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