乳房と乳頭の疾患乳房炎の防遏(prevention of mastitis) 乳房炎の防遏乳牛の乳房炎の大多数は細菌感染に基因して発生するので、今日の進歩した微生物学その他の専門的知識を駆使することによって、乳房炎の完全な制圧を期待することは可能だと考えられます。それにもかかわらず、乳房炎の発生は依然として跡を絶たず... 2022.08.28乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患乳房炎 ~ 治療(薬の基剤・組織の病変・組織の防衛反応・治療の時期・薬の残留) 薬の基剤基剤の性状は乳房内における薬の浸透を左右します。油性の軟膏ointmentはその点で劣り、今日では、水性または油性の懸濁液suspensionまたは乳濁液emulsionが広く採用されています。油性懸濁液は乳管系にすみやかにひろがり... 2022.08.27乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患乳房炎 ~ 治療(菌の薬剤感受性) 乳房炎の治療乳房炎の治療には、病性の急性、慢性のちがい、乳房の病変の強さ、全身症状の程度などに応じて、それぞれ適切な処置を選定しなければなりません。牛の乳房炎の大多数は細菌の感染が原因になっておこるから化学療法が広く普及していますが、治療開... 2022.08.26乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患乳房炎 ~ ミルクの検査(化学成分の検査・細菌検査) 化学成分の検査炎症がおこった乳腺では、白血球の血管外遊走のほか、毛細血管の透過性が亢進して、まず血清アルブミン、続いてNaClとNaHCO₃が血液からミルクに移行する。NaHCO₃の移行によってミルクのpHはアルカリ側に傾く。また乳糖の合成... 2022.08.25乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患乳房炎 ~ ミルクの検査(細胞数・細胞数に関連のある検査) 細胞数ミルク中に存在する細胞は、アポクリン型の分泌型式をとる乳腺の腺胞および乳管に由来する上皮細胞と、血液から移行した白血球です。ミルク1ml中のそれらの数を合計したものを、ふつう体細胞数somatic cell numberまたは単に細胞... 2022.08.24乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患乳房炎 ~ 診断・乳房の触診・ミルクの検査(肉眼的検査・pHについて) 乳房炎の診断(diagnosis)乳房炎の診断には、稟告の聴取、全身状態および合併症の観察、乳房およびミルクの検査のほか、牛舎の構造、設備、飼料、衛生管理についても十分顧慮することが必要です。これらのうち、乳房の触診、ミルクの検査および病原... 2022.08.23乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患未経産牛乳房炎(heifer mastitis) 未経産牛乳房炎(別名、夏季乳房炎)集団で放牧育成されている若い未経産の雌の乳牛に乳房炎が発生することがあります。発生率はあまり高くないが(牛群の3~5%)、いったん発症した分房は早期に治療をほどこしても全治することが稀れです。したがって、そ... 2022.08.22乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患非臨床型乳房炎(subclinical mastitis) 非臨床型乳房炎乳房に感染がおこって炎症が存在するにもかかわらず、外見上明らかな臨床徴候がなく、またミルクにも一見異常がないものは、非臨床型乳房炎といわれます。しかし、産乳量の減少、乳質の低下およびミルク中の細胞数の増加が明らかであり、また、... 2022.08.21乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患真菌による乳房炎(infection with fungi) ~ その他の病原体による乳房炎(infection with other microorganisms) 真菌による乳房炎真菌類の感染による乳房炎も無視できない。地域によっては乳房炎の症例の3%に達する所もあります。クリプトコッカスCryptococcusの感染は重症の臨床型乳房炎をひこおこす。分房の腫脹が初期に著しく、発熱と食欲不振があります... 2022.08.20乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患緑膿菌による乳房炎(infection with Pseudomonas aeruginosa) ~ マイコプラズマによる乳房炎(infection with Mycoplasmas) 緑膿菌による乳房炎緑膿菌Pseudomonas aeruginosaの感染によっておこる乳房炎は散発性です。しかし、時には牛群にとって深刻な問題になることがあります。緑膿菌は溜り水、下水、土の中、人や動物の腸内容など環境に広く潜在します。温... 2022.08.19乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患コリネバクテリウムによる乳房炎(infection with Corynebacterium pyogenes) コリネバクテリウムによる乳房炎コリネバクテリウム・ピオゲネスCorynebacterium pyogenes(化膿桿菌)による乳房炎の発生は少ないが、いくつかの特徴的な性質をもっている。病性は急性、化膿性です。泌乳期以外の時期におこることが... 2022.08.18乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患大腸菌による乳房炎(infection with Escherichia coli) 大腸菌による乳房炎大腸菌群による乳房炎は、グラム陽性球菌によるものよりも発生が少ない。しかし、抗生物質の広範な使用によってレンサ球菌、ブドウ球菌による乳房炎が減少した牛群では、大腸菌群が臨床型乳房炎の最大の原因になることがあります。大腸菌群... 2022.08.17乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患ブドウ球菌による乳房炎(staphylococcal infections) ブドウ球菌による乳房炎ブドウ球菌の感染に起因する乳房炎は、ペニシリン療法によって減少した無乳レンサ球菌性乳房炎に代わって、乳房炎の主座を占めるようになりました。年間を通して発生し、また新しい感染は泌乳期間の特定の時期に限らない。牛が年をとる... 2022.08.16乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患レンサ球菌による乳房炎(streptococcal infections) レンサ球菌による乳房炎レンサ球菌の感染による乳房炎は、年間を通じて発生し、また泌乳期間の特定の時期に発生がかぎられることはありません。接触伝染によって牛から牛へ伝播します。(ⅰ)無乳レンサ球菌による乳房炎:抗生物質が登場するするまでの時代に... 2022.08.15乳房と乳頭の疾患
乳房と乳頭の疾患乳房炎(Mastitis) ~ 原因・原因別にみた乳房炎の性状 乳房炎の原因素因あるいは誘因に加えて、乳房炎の大多数は病原微生物が感染することによって発生します。原因となる微生物としては、各種の細菌、マイコプラズマ、真菌類が知られ、またウイルスの関与も考えられていますが、主役を演じるのは細菌です。乳房炎... 2022.08.14乳房と乳頭の疾患