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テトラサイクリン系抗生物質(tetracyclines) ~ 広域スペクトル抗生物質で、ほとんどの細菌、リケッチア、マイコプラズマ、クラミジア、大型ウイルスに有効

テトラサイクリン系抗生物質 抗生物質

 
 
この群の抗生物質のうち初期に発見されたクロルテトラサイクリン(CTC)、オキシテトラサイクリン(OTC)、およびその還元生産物テトラサイクリン(TC)は性格的に類似している。
 
 

科学

 
 
HCI塩とNa塩は水に良く溶ける。Na塩は不安定であるから用いない。いずれもCa²⁺,Mg²⁺とのキレート能が高い
 
 

抗菌作用

 
 
いわゆる広域スペクトル抗生物質(broad spectrum antibiotics)で、ほとんどの細菌、リケッチア、マイコプラズマ、クラミジア、大型ウイルスに有効です。
 
 
レプトスピラやトレポネーマも感受性を持つので、全く感受性を持たない微生物は真菌だけです。しかし菌種によって感受性にかなりの開きがあり、感受性株のMICには0.1~20㎍/ml程度までの広がりがある。
 
 
耐性菌の発現頻度は中程度です。
 
 

抗菌作用機序

 
 
薬用量では専ら静菌的に働くが、その機序として細菌のリボソーム30S分画に結合してtRNA・アミノ酸のリボソームへの結合を阻止し、蛋白合成を阻害する作用が主張されている。
 
 
テトラサイクリンのリボソームへの結合は可逆的です。
 
 

体内動態

 
 

吸収

 
 
経口と注射で投与されますが、注射後の吸収が速やかなのに比べて、経口投与後の吸収は各種の要因によって変動する。
 
 
経口投与後のテトラサイクリンの平均吸収率はCTC、OTC、TCでは50%前後ですが、金属キレート能の低いドキシサイクリンやミノサイクリンでは90%以上になる。
 
 
テトラサイクリンは胃腸管内の蛋白質・金属イオンによって吸収が抑制される。家畜への経口投与では絶食して投与する方法が困難であるので、飼料の成分、特にCaやFeの濃度が吸収に強く影響します。
 
 

分布

 
 
吸収された後、初期には肝と腎への分布が高いが、次第に全身組織に平均的に分布する。分布容が1l/kg程度であり、細胞内の分布濃度も高いが、細胞内ではMgと結合するので抗菌活性は期待できない。
 
 
脳脊髄にはほとんど分布しないが、ドキシサイクリンはある程度分布する。
 
 

代謝・消失

 
 
代謝によって消失する部分は極めて少ない。大部分が未変化のまま約半分が尿中に、他が糞中に排泄される。骨組織との結合性は高いので、骨には長く残存します。
 
 
血漿中半減期は一般に6~10時間で、消失の遅い薬物であることが分る。
 
 

副作用

 
 
犬猫では高用量の経口投与で嘔吐することがある。テトラサイクリンは消化管や気道の細菌叢にも影響を与えるので、大用量の連続投与によって菌交代症が発症することもある。
 
 
菌交代症:原因菌はいなくなったのに症状が続く。

症状:カンジダがひきついで病害を起こす。
 
 

個々の薬物

 
 

●オキシテトラサイクリン(oxytetracvcline)
 
 
注射も経口投与も可能であるので汎用される。

 
 

●クロルテトラサイクリン(chlortetracycline)、テトラサイクリン(tetracycline)
 
 
この二つの薬物は経口投与と外用に用いる。CTCは組織起炎性が強く、注射には用いられない。

 
 

●ドキシサイクリン(doxycycline)、ミノサイクリン(minocycline)
 
 
この二つの薬物をOTCと比較すると、グラム陰性菌に対する抗菌力はほぼ同程度ですが、グラム陽性菌に対する抗菌力が強い。
 
 
脂溶性が高いので経口投与後の吸収率が高く、脳組織にも分布し、また体内残存期間も長い。
 
 
金属イオンとのキレート能もOTCより低い。主として糞中排泄によって消失するので、腎障害のある患畜でも消失速度が遅くならない。
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