下垂体からのACTH分泌が多くなる原因としては死戦期、感染、外科手術、出産、寒冷などのストレスが挙げられますが、血中皮質ホルモンの濃度低下もフィードバック機構によってACTHの分泌を促す。
体内動態
ACTHはアミノ酸33個からなる分子量約4千のポリペプチドです。ACTHには血漿や細胞の蛋白とか脂肪との結合性がない。このことはACTHが血中では遊離型だけで存在し、また毛細管から組織間液へは自由に出入りすることを意味します。
細胞内へは入らないので、分泌されたACTHは細胞外液に均一に分布します。体内における代謝は速やかであり、消失の主要経路は代謝による分解だと考えられています。
ACTHを筋注すると急速に吸収されて血中濃度が上昇しますが、消失も速やかで血中濃度半減期はわずか15分です。ACTHの生理的血中濃度はこの動態を反映しており、正常時にはきわめて低濃度ですが、分泌が促進されれば正常値の100倍以上の高さにもなります。
しかし分泌量が低下すれば1~2時間で正常値に近くなります。
生理・薬理作用
ACTHは副腎皮質の分泌細胞の表面にある受容体と結合して細胞内におけるcAMP濃度を上昇させます。ACTHの体内消失は速く、また受容体との結合も可逆的であるから受容体との結合時間は短い。
しかしACTHと受容体との結合は数秒でもその作用は明確に現れる。
分泌細胞のcAMP濃度が高くなるとコレステロールの側鎖炭素6個が離脱する反応が促進され、続いて数段階の酵素反応によって皮質ホルモンが生産され、その分泌が亢進します。
したがって、ACTHは受容体と短時間だけ結合した後に急速に消失しますが、その効果は数時間後に現れ、十数時間持続します。
