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ラ(騾)Mule

ラ(騾) ウマ(馬)

ラ(騾)
 
 
俗にラバと言います。雌馬と雄ロとの種間雑種(間生Bastardともいう)です。その起源はヨーロッパらしく、古典時代の初期に、地中海沿岸地方で役畜として重要でした。
 
 
ホーマー時代にすでにロよりも、ラの方が実用に供せられ、農耕用、運搬用、木材の駄用にされています。ラは小アジアの黒海沿岸にあるパフラゴニアの人たちによってはじめて作られたともいわれ、また、前アジアの西北端にあるミジアがその発祥地とも言われています。
 
 
ギリシャは、これらからラを入手したといわれています。旧約聖書にラが、しばしばでてくるので、イスラエル人はすでにラを知っていたらしい。
 
 
民族移動の史実から、メソポタミアやシリアに最初の馬をもたらしたヒッタイト人と、それ以前にロをこの地方で飼っていたセム族との関係などからみて、これらの民族の接触地点であるイラン高原から小アジアにかけての地帯が恐らくラの発生地でしょう。
 
 
もちろん、ロの家畜化の後です。雑種を作った動機はおそらく偶然で、その後は雑種の有用性が認められて、意識的に行われたのでしょう。
 
 
かくしてラは、上記の発生地からローマ人を通じて全ヨーロッパへ、セム族を通じてアフリカへ、またはスペインなどのラテン系民族を通じてヨーロッパおよびその植民地へ拡がったものです。
 
 
現在のラの改良に、もっとも力をいたしたのはアメリカ合衆国でしょう。
 
 

ラ(騾)の外観

 
 
馬とロとの中間型で、毛色は両親の毛色のいかんによって様々ですが、ロに強く影響されて暗色系統のものが多く、まれに芦毛、鹿毛、粕毛があります。
 
 
またロの影響を受けて、き甲、肩、背線、四肢、腹側などに縞線や鰻線を現すものが多い。たてがみや尾毛は馬に良く似ている。
 
 
附蟬を前後肢にもつ場合が多く、これも馬に似ている。前肢蹄は馬とロの中間型ですが、後肢蹄は馬によく似ている。
 
 
耳は馬より長い。頸は短く、き甲低く、尻は短く傾斜し、四肢良く乾燥している。ちなみにラの鳴声はロに似ています。体格は大型、小型があります。前者の代表的なものにフランスのポアトーラがあり、体高、155~165cm、体重、600~700kgです。
 
 

能力

 
 
体質強健で粗食に耐え、体格の割合に負担力が大で、持久力も大です。雌は馬に比し晩熟ではないが、雄は馬より晩熟です。また、雄は生殖能力に欠く。
 
 
外観上精巣はふつうですが、精子の生成過程中に細胞の発育が停止し、受精能力のある精子が全然生成させられていない。
 
 
すなわち種間雑種の染色体は異なる染色体からなり、相同染色体間の親和が弱く、性細胞成熟分裂にあたり、染色体の減数が行われず、完全な精子ができないのです。
 
 
これに反し雌ラは受胎しにくいが、まれに受胎し、しかも生子を分娩し、これを哺育することがあります。
 
 

分布

 
 
アメリカ合衆国は現在、世界第一のラの生産国です。
 
 
その数500万頭に達するでしょう。メキシコにも多い。ヨーロッパではスペイン、イタリア、ギリシャ、フランスに多く、南アメリカのアルゼンチン、コロンビア、ボリビアに多い。
 
 
アジアでは、中共が最も多く、アメリカと大差ありません。アフリカのアルジェリア、モロッコ、南アフリカ連邦にも多い。

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