亜鉛中毒・症状
亜鉛の作用は先ず局所の刺戟作用があり、後に一般の筋および心臓の麻痺を来すもので、主徴は嘔吐、疝痛、下痢、衰弱、麻痺、心臓衰弱などで経過の長いときは貧血ならびに虚脱を招きます。
牛
約1寸位の厚さのある亜鉛を附した小麦粉製造の石臼の縁に附着した粉を、飼料中に混ぜて4頭の牛に与え中毒した。
そして粉末を検査した結果、粉中に酸化亜鉛が存在していました。また牧場の牛を炭酸亜鉛水の水溜まりで水飼いしたところ、烈しい疝痛と数日に亘る下痢を来し、同時にこの水を飲んだ鵞および鶩も中毒して歩行蹌踉となり、頭を垂れて斃死しました。
豚
多数の豚を亜鉛鉱業所附近の牧場に飼養し、3週間で削痩、貧血、歩行蹌踉、下痢、食欲の減少、呻吟などを示して6週後に斃死した。
犬
実験中毒として硫酸亜鉛30gを与えたところ、嘔吐、削痩などを招いたが、回復した。
然るに同量を内用させ咽頭を絞めて嘔吐を妨げたときは3日で斃れた。また4~6gの硫酸亜鉛を5~6日で皮下注射すると、麻痺および嘔吐を来し0.2~0.4gの硫酸亜鉛を静脈内に注入しても同様の症状が見られる。
硫化亜鉛を9~18g内用させると嘔吐と胃炎を起し、また4ヶ月間に72gの酸化亜鉛を飼料と共に与え、嘔吐と著しい衰弱、戦慄があり、第3ヶ月より痙攣竝に知覚障害を認めました。
亜鉛中毒・剖見
胃腸炎の散在、潰瘍ならびに胃腸粘膜の高度の萎縮と貧血が見られ、また白色の腐痂形成し軟脳膜、肺、腎の充血および炎症あり、尿、肝、脾などに亜鉛を発見する。
慢性中毒では脊髄の変状があります。

