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鉛 Lead Pb ~ 原因

鉛 Lead Pb ~ 原因 家畜中毒

 
 

鉛中毒の原因

 
 
家畜が鉛およびその化合物によつて中毒を起す場合は頗る多く、就中牛に頻発します。
 
 
もし鉛を飼槽、水槽、その他糞取りなどに用いるときは牛および家禽は屢々その断片を食して中毒します。
 
 
また射場付近の牧場で流丸のあるときは牛などが食す。ある牝牛は300gの鉛片を食って斃れ、この際中毒牛の乳を与えたため生後1ヶ月の仔牛は急性鉛中毒に陥って死にました。
 
 
他の1頭は250gの鉛片で斃死し、また鳩が4gの鉛で死にました。
 
 
農薬では砒酸鉛剤が中毒を起し最近岡山県で、異嗜癖のある2頭の和牛が新聞紙に包んであった砒酸鉛を舐食して1は30時間、2は76時間で斃死した例があります。
 
 
鉛管より水を与えたために家畜の中毒を招いた実例は確かではありませんが、疑うべきものはあります。従来報告された中毒のうち、屢々その機会となつたものは鉛色素で、例えば鉛含有の油製色素の容具や塗布した舎具の鉛色素を舐めて斃死します。
 
 
なお鉛色素で特に関係の深いものは獣皮、獣毛などの染色剤です。最も危険なものは治療のため鉛軟膏を牛、犬、猫などに塗布することで、特に舐めやすい部位に用いるときは注意を要します。
 
 
また肉芽面よりは容易に鉛を吸収することも考慮すべきことです。その他馬と猫は鉛製造所で中毒の機会に逢うことがあります。
 
 
鉛中毒の多い地方は、鉛鉱のある所や、鉛含有河水の附近です。而して中毒の原因と認むべきものの一部は、鉛の蒸気および粉末で附近の全植物を汚染することと、他は風により吹き齎らされる細砂と肥料によるもので、独り家畜のみならず、生物全体に影響します。
 
 
また河水中著しい鉛分含有のためと、その洪水により下流地方一帯が鉛含有の泥砂に被われ、この鉛分が飼料と共に摂取されて中毒を起した例があり、馬の慢性中毒が記載されていますが、現在ではこのような例は少ない。
 
 
1955年、放牧地に放棄されたペンキ鑵に、露出した鉛塗料を摂食して5頭の牛が中毒し、3頭が死んだ報告があります。
 
 
鉛中毒はまた過失によりあるいは治療上の錯誤より来ることがあります。砒酸鉛中毒は前者の例で、後者は芒硝と誤り鉛糖を内用させ、白陶土の代わりに鉛白を与えるような場合です。
 
 
その他外用の鉛糖水を牛が飲み中毒を起すことは比較的多く、治療上注意を要します。
 
 
鉛糖の致死量は次の通りですが、牛は特に感受性に富み、馬の1/10量で斃死することに留意しなければなりません。
 
 
砒酸塩の羊、山羊に対する致死量は約150mg/kgで経口投与後4日目位で斃死します。
 
 

鉛糖の致死量

 
 
●牛
50.0~75.0g
 
 
●馬
500.0~750.0g
 
 
●羊・山羊
20.0~25.0g
 
 
●豚・犬
10.0~25.0g

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