鞣酸は複雑な成分を有しますが、加水分解によって没食子酸ならびにその誘導体を生ずる一種の配糖体です。
しかし、明確な分類は困難でこれを大別するとプレンツカテヒンを生ずるカテヒン鞣酸、真性没食子酸を生ずるピロガロール鞣酸の二つに分ける。
鞣酸を含む植物は松粕類、ヌルデその他で本邦ではナラ、クヌギ、カシワ、クリなどがあり、また高梁穀皮、甘藷類にも多く、中毒は便秘症の型で牛、馬、緬羊、山羊に来る。
鞣酸は収斂性があり且つ膠質、蛋白質、アルカロイド、重金属、塩などを沈澱させるため胃腸薬あるいは解毒剤として利用されます。
ただし大量は組織の腐食や潰瘍性消化器炎を招きます。
カシワ 柏、檞 Quercus dentata クリ科
コナラ Q.serra
クヌギ Q.acutissima
カシハ属による家畜の被害は葉および殻皮で、いわゆる殻斗病と謂われていますが、これは中毒というよりも不消化型の甚しいものと考えた方が正しい。
症状
牛の主徴は食欲欠損、反芻の減少、便秘、疝痛に次いで高熱、震戦、硬結胃、心悸亢進、呼吸・脈搏の増加、尿の暗褐色または血尿による鮮紅色、異臭を認め、次で水射様下痢を見、漸次削痩、衰弱して斃死します。
療法
全く対症的で早期に加療すれば一般に経過が良い。
ただし出血性下痢の甚しいものは虚脱のため斃れるから注意を要します。

