感染
開放骨折では、骨折部に一次性または二次性に感染のおこる危険が大きく、また感染が局所にとどまらず、全身的にひろがることもあります。
骨折血腫、栄養供給が途絶した骨片、挫滅された筋組織などの存在は、嫌気性菌の発育に好都合で、馬では破傷風、牛では悪性水腫の危険があります。
感染が骨髄に波及すると化膿性骨髄炎がおこり、瘻管の形成、骨折の遅延治癒、骨膜性骨増殖、腐骨などが生じ、また患肢の使用時の疼痛が長く持続します。
脂肪塞栓(fat embolism)
骨髄が損傷されて、その脂肪が静脈にはいり、肺に達して、広い範囲の小動脈、毛細血管に塞栓を生ずることがあります。
また稀には、さらに肺から左心を経由して脳の血管につまることがある。
いずれも重篤な症状を招来します。
外傷性皮下気腫(traumatic emphysema)
空気を含む器官が骨折によって損傷された時、たとえば肋骨骨折で肺が、また顔面骨の骨折で前頭洞が損傷をうけると、皮下に空気が漏洩し、時には著しく広範囲にひろがることがある。
気腫のために皮膚がふくれ、触診すると独特の気腫捻髪音を発し、X線写真には気泡が現れる。
発熱
皮下骨折のあと発熱することがありますが、多くは血腫や組織の分解産物の吸収のためで(吸収熱)、数日内に消失します。
開放骨折において、感染が重度の時は著しい発熱をみる。
ショック(shock)
骨折の直後に、全身症状としてショック現象をみることがあり、また骨折の患畜を粗暴に取り扱うと、ショックに陥ることがあります。
このショックは、他に重大な内部損傷がなければ、数時間の経過で消失するのがふつうです。
もしも全身状態が引き続き悪化して、著明な虚脱状態に陥った時は、重篤な内臓の損傷を疑わなければなりません(腹腔臓器・骨盤臓器・大血管の損傷、肺の脂肪塞栓、脳震盪など)。
圧挫症候群(crush syndrome)
外力が加えられた時に、骨の損傷ばかりでなく、筋がひどく挫滅されて広範な壊死がおこり、血液濃縮、ミオグロビン尿、腎不全から尿毒症、ショック様の状態に陥って死亡することがあります。
