高カリウム性周期性四肢麻痺(HYPP)は、遺伝性の遺伝子変異によって引き起こされる筋肉疾患です。
クオーターホース、ペイントホース、アパルーサ、交雑種のクオーターホースに発症することが知られています。原因となる遺伝子は、Impressive:インプレッシヴという一頭の馬にまで遡ることができ、この馬にちなんでImpressive Syndrome:インプレッシヴ症候群という別名があります。
HYPPは優性疾患であり、ホモ接合型陽性(HH)とヘテロ接合型(nH)馬の両方が罹患することを意味します。ホモ接合型陰性(nn)の馬のみがHYPPを発症するリスクがありません。
HYPPはヒトの高カリウム性周期性四肢麻痺に似ており、散発的な筋振戦および筋力低下が特徴で、しばしば馬の虚脱を引き起こします。
HYPPを発症した馬は、上気道の筋肉の麻痺が原因で、異常に大きな呼吸音を出すことがあります。
HYPPの発症は、カリウムを多く含む食品(バナナ、アルファルファ)や食餌、ストレス、妊娠、寒冷地への暴露、特定の薬物、運動後の休息、食餌の欠食など、多くの要因によって引き起こされます。
HYPPの症状は、他の多くの症状と類似しているため、馬主は疝痛、繋留、怠惰(たいだ)、行儀の悪さ、そして時には神経疾患と混同しがちです。
症状
●予測不能な麻痺発作
●筋肉の痙攣
●犬座姿勢
●突然死
治療
※食事管理
HYPPの馬は、バランスのとれた低カリウムの食餌を与えなければならない(1食あたりのカリウムの量は33g以下)。カリウム濃度が高いため、アルファルファを与えてはいけません。
※アセタゾラミド (Acetazolamide)
腎臓によるカリウムの排泄を増加させるために、経口投与される。
※支持療法
輸液
予防
※糖蜜、アルファルファ、ケルプ:(kelp) 昆布などの海藻を蒸し焼きにした灰、バナナなどの栄養補助食品や電解質補給食品を与えないことで、食餌からのカリウム摂取を制限する。
※飼料、干し草、牧草の分析を定期的に行い、カリウムの量を評価する。
※ビートパルプ(beet pulp:砂糖大根から砂糖をとったしぼりかすを利用した飼料)またはオーツ麦(燕麦)をベースとした完全な飼料を探す。
※繁殖馬におけるHYPPの遺伝子検査を行う。

