銅・薬理作用
銅は亜鉛と甚だ似た薬理作用を有し、その局所作用は用量と含有する酸の種類により腐蝕作用を現わし、または収斂作用を呈します。
可溶性銅塩は腐蝕性金属塩の一つで蛋白質に逢うとアルブミナートを形成し、消化管を腐蝕して炎症を起しますが、このアルブミナートは血液中に吸収されるか否かは不明ですが、実験的に醋酸銅あるいは脂肪酸銅の大量を内服させると局所作用が少くして亜急性中毒を起し、呼吸の障害と心臓麻痺に陥り斃死します。
これは恐らく消化管粘膜に腐蝕を生じ銅塩の吸収を来すためであろうと考えられています。
腐蝕作用のない複塩を血管または皮下に注入すると骨骼筋および心筋の麻痺を来し、硫酸銅の皮下注射は腎臓炎を来し蛋白尿を見る。
また銅は亜鉛の塩類やアンチモン化合物のように、胃粘膜の局所刺戟により速かに嘔吐を起す作用があるため、硫酸銅を吐剤として用いることがあります。
これは嘔吐中枢の刺戟によるものでなく、全く局所の刺戟による反射作用であり、注射では惹起しません。
更に硫酸銅の一部は胃内で硫酸と銅に分解し、このうち硫酸は燐を酸化して無害な燐酸に変化させ、銅は燐の表面に燐酸銅の沈澱物を生じて包被してその吸収を妨げ虚脱を来す恐れが少いから、燐中毒に対する良好な解毒薬となります。
その他収斂薬あるいは軽い腐蝕薬として1~10%液を潰瘍、創面、蹄叉腐爛などに用いることがあります。
硫酸銅の吐剤としての用量
豚…0.5~1.0
犬…0.1~0.5
猫…0.05~0.2
人…0.1~1.0

