伝染性趾間皮膚炎 dermatitis contagiosa interdigitalis(羊の腐蹄病 footrot of sheep, ovine footrot)
本病は昔から羊の腐蹄病と呼ばれて広く知られていますが、接触伝染性が強く放牧の間に広く蔓延するため、羊飼育の盛んな国では羊群の問題flock problemとして産業上の重要事項の1つになっています。
発病はBacteroides nodosusの感染によることが明らかにされています。
またしばしばFusobacterium necrophorumが重感染して、湿潤し軟化した表皮へのB.nodosusの侵入を助ける。温暖・湿潤の季節に多発します。
多因子性の疾患と考えられ、環境や気象条件のほかZnの摂取不足も発病要因の1つに挙げられています。しばしば複数の肢に発生します。
趾間の皮膚に滲出と壊死を伴う重篤な炎症が起こり、それはさらに蹄鞘の内部に拡がって坑道を形成し、知覚部を侵害し、時には蹄壁の剥離を起こします。
病羊は重度の跛行を呈して羊群の移動を制約し、重症例では起立不能に陥って前膝で這うものも現れます。著しく痩せることがあります。
Egertonら(オーストラリア)の研究は本病の解明に貢献しました。また牛の趾間皮膚炎の病性との異同、予防接種などについても報告し、牛と羊から分離されたB.nodosusの抗原性の相違などを指摘しました。
サルファ剤、抗生物質の全身的投与は効果がない。
広域抗生物質のチンキ剤(10%)の局所応用、5%ホルマリン液による蹄浴が有効です。ワクチンの研究が進められています。
病羊が徘徊したために菌で汚染された放牧地も、10日間の遊休の後で再び安全に使用できるようになるという。
この伝染性趾間皮膚炎のほか羊の趾には、土や糞の中或いは皮膚の表面にいる種々の細菌の感染による表在性、湿性の趾間皮膚炎interdigital dermatitisや、staphylococci、Corynebacterium pyogenes、Fusobacterium necrophorumの感染によって繋と蹄冠部の皮下に広範なフレグモーネが生じて腫脹と疼痛が著しく重度の跛行を呈する趾フレグモーネdigital phlegmon、蹄尖部の底面で白帯の近くに形成された限局性の化膿巣が葉状層に沿って上行し、蹄冠部に瘻管が開口する化膿性蹄皮炎suppurative pododermatitis、あるいは反軸側または蹄尖部の蹄壁が在下の葉状層から分離してその遠位端の一部が剥離欠損しますが、細菌感染の徴はなく跛行も呈しない乾性蹄壁剥離dry separation of wallなどが発生します。

