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牛蹄の疾患 ~ 趾の深部感染症(deep digital sepsis)

趾の深部感染症(deep digital sepsis) 蹄および爪の疾患

 
 
趾の表在性の疾患か蹄の知覚部の病傷またはその両方から細菌感染が深部の組織に蔓延したもので、蹄関節、蹄骨、舠骨、舠嚢、深屈腱の蹄骨付着部、総屈腱鞘、およびそれらの周囲の組織に、主としてCorynebacterium pyogenes(通性嫌気性菌)の感染によって著しい化膿性炎が起こります。
 
 
原発疾患としては主に趾間フレグモーネ、蹄底潰瘍、蹄底穿孔、蹄葉炎が挙げられます。
 
 
軸側蹄壁の関節旁溝が蹄冠に接する辺りは角質が非常に薄く(厚さ約2mm)、蹄関節と舠嚢に近接しているため、趾間隙の皮膚の化膿性、壊死性病変が蹄関節包、舠嚢、また蹄骨、舠骨からさらに屈腱鞘を上行して球節に達することもあります。
 
 
動きの少ない冠関節が侵されることは少ない。
 
 
これらに対する治療は簡単には行かず、即効を期待することは難しい。全身的化学療法剤を投与しても、病巣に対する血液の滲透量が少ないために効果があがらず、他の手段が必要です。
 
 
病巣の排膿、掻爬、洗浄などの局所的保存療法には、連日の治療の反復、長期にわたる加療、かさばる治療費、病機の進行を防ぎきれないなどの短所があります。
 
 
また病巣周囲の線維化または関節の強直によって感染巣を遮断する目的で下肢をギプス包帯で固定する方法もありますが、長期にわたるため患畜に苦痛が生じ、膿血症の発生する危険があり、遂には致死、屠体廃棄のおそれがあります。
 
 
そのため断趾術、深屈腱および屈腱鞘の部分切除などの根治手術がおこなわれます。

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