趾皮膚炎digital dermatitis(dermatitis digitalis)
蹄冠縁に隣接する皮膚に限局性、表層性の潰瘍が生じます。
病変は趾間隙の底側端に続く皮膚または時に背側に発現する径3~5cmの充血と湿疹から始まります。漿液が表面から排出され、悪臭があります。
また表面は肉芽組織におおわれて、細かい乳頭状を呈するようになります。
白色の上皮組織がその周辺を囲み、さらにその周りに皮膚炎が認められることがおおい。疼痛が著しい。跛行の程度は様々で、時には重度のこともあります。
合併症は報告されていません。
原因は不明です。しかししばしば明らかに接触伝染性のことがあります。
本病については北イタリアの平野の牛に発生した症例の報告(Cheli & Mortellaro,1974)が最初で、牛群の中の40~70%の牛に拡がったということです。
その後オランダ、スウェーデン、ルーマニア、イランなどの地域でも発生し、日本でも1993年に報告があります。
患部を清洗し、病巣の組織を掻爬または切除した後、テトラサイクリン-ゲンチアナバイオレット液を患部に塗布または噴霧すると、1回の治療でなおることが多い。
疣状皮膚炎verrucose dermatitis(dermatitis verrucosa)
趾の背側および底側の皮膚の慢性、増殖性の炎症ですが、趾間隙の底側端の皮膚に生ずるものがおおい。患部は初め湿性で、のちにいぼ状の増殖物を形成しますが、なかには角化亢進を見るものがあります。
触れると疼痛があります。軽度~中等度の跛行を呈します。両側の後肢に発生することもあります。
病変組織を切除しオキシテトラサイクリン-ゲンチアナバイオレット液を噴霧する治療が有効です。また、0.3%オキシテトラサイクリン液による蹄浴も推奨されています。
以上のように本病は牛の環境、好発部位、病理学的所見、治療に対する反応、未確定な原因などおおくの点で趾皮膚炎と共通するものがあります。
Rebhunら(1980)の趾間乳頭腫症(interdigital papillomatosis)の所見にも近似しています。

