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牛蹄の疾患 ~ 蹄底潰瘍solar(solear)ulceration(限局性蹄皮炎、ルステルホルツ潰瘍、pododer matitis circumscripta、Rusterholz ulcer)

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蹄底潰瘍 蹄および爪の疾患

 
 
主に乳牛の後肢外蹄の底面で、典型的好発部位typical placeと呼ばれる個所の蹄皮に限局性に生ずるほぼ円形の欠損をいいます。
 
 
その場所は蹄底蹄球接合部の軸側寄りで、両後肢に同時に認められることも少なくありません。中等度の跛行を呈しますが、欠損部から肉芽組織が突出するような時には跛行が重度になります。
 
 
舎飼の牛に多発します。病変部から蹄尖および反軸側の白帯の方向に坑道形成が起こります。
 
 
典型的部位に好発する機序について多くの議論があります。Rusterholz(1920)は肢勢や蹄形の不良(後肢のX状肢勢、過長蹄など)のために蹄骨の近くで深屈腱の牽張が生じ、その骨付着部(蹄骨の後縁、軸側寄り)に骨炎と骨瘤形成を招き、それが蹄底の特定の場所で真皮を圧迫することによると考えました。
 
 
これに対してZantinga(1973)は骨瘤ではなく蹄骨底面の軸側降起による圧迫を原因としました。
 
 
また、Nilsson(1963)は蹄底潰瘍が蹄葉炎と密接な関連を有することを指摘し、Toussaint Raven(1977)は趾間皮膚炎-蹄球びらん-蹄底潰瘍という一連の発病機序を提唱しています。
 
 
狭いフリーストール飼育が関係するという考えもあります(Pinsent,1989)。
 
 
今後の研究が必要です。なお蹄底潰瘍の形成には細菌感染の関与は認められませんが、本症から深部感染症に進行する症例は少なくありません。
 
 
治療的処置としては、牛を乾燥した清潔な場所に移して休養させ、削蹄を施して蹄形を整えて蹄底の圧迫を取り除くことが大切です。
 
 
蹄釘またはテクノビットによって対側の健蹄にブロックを装着し患蹄の免重を図ることは特に価値があります。
 
 
蹄底に肉芽組織が突出していれば切除または焼烙によって除去したあと、広域抗生物質を局所的または必要に応じて全身的に投与して、防水性の包帯あるいは健蹄にブロックの装着を行い、清潔な牛房に収容します。

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