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水頭症または脳水腫

水頭症または脳水腫 神経系の疾患

 
 

水頭症または脳水腫(hydrocephalus)

 
 
頭蓋腔内に髄液が過剰に貯留した状態をいいます。
 
 
とくに脳硬膜と脳の間に多量に貯留したものを脳外水頭症といい、同じく脳室内のものを脳内水頭症という。また、先天性水頭症と後天性水頭症に分けられます。
 
 

原因

 
 
原発性先天性水頭症は、馬・牛に多く、妊娠中、母畜が日本脳炎に罹ったときの胎児に発生することがあります。また、短頭犬(チン、ブルドックなど)は頭蓋骨の長さが短く、脳髄が形態的に彎曲し、導水溝が大脳後頭葉や小脳で圧迫されるため、本症をおこしやすい素因があります。
 
 
後天性水頭症は、脳膜炎、および頭蓋内の腫瘍、動脈瘤および損傷による出血や感染(牛のアカバネ病など)の場合におこることがあります。
 
 

症状

 
 
先天性水頭症においては、生後の発育が悪く頭が次第に腫大し、眼球が突出する。
 
 
犬の場合は他の同腹犬と容易に区別できる。
 
 
頭頂部に触れると、頭蓋縫合の化骨不全があり、泉門fonticulusの離開が認められます。この泉門は1個の場合、あるいは多数存在することもあり、形状は円形のものや不正形のものなどいろいろです。
 
 
円頭のチワワ種では、成犬におよんでも中心泉門が1個存在し、水頭症の症状を現さないものが多いので、この種のものでは、泉門離開をもってただちに本症と診断することは危険です。
 
 
先天性水頭症における発症は、生後2~6ヶ月頃にみるものが多く、髄液の貯留による大脳の圧迫の程度によって異なる。
 
 
すなわち、急に癲癇様発作をおこし、これを反復して死の転帰をとるものと、はじめから無力で周囲に対する注意力に乏しく、歩様も不確実で足のナックリングknucklingを呈し、病状が進行すると、横臥し嗜眠状態となり、次第に知覚も減退し、散瞳して覚醒することなく死亡する二つの型があります。
 
 
なお、後天性水頭症で、すでに頭蓋縫合の化骨しているものでは、頭部の腫大はほとんど見られませんが、髄液による大脳の圧迫により、種々の型の脳症を発するものです。
 
 
本症の診断には、X線検査を必要とします。
 
 
先天性水頭症では、頭部の腫大により非薄になった頭蓋骨と頭蓋縫合の離開、泉門の存在を認めるが、後天性の場合は、このような変化はほとんど見られない。
 
 
頭蓋内の変化としては、髄液の貯留の状況と大脳皮質の圧迫萎縮などによって、形態の変化や脳室の拡大などがみられる。
 
 
とくに気脳法(脳室内に空気を入れて撮影)を用いるときは、脳室の拡大や非薄な大脳皮質の状態を明瞭に知ることができます。
 
 

治療法

 
 
水頭症の治療においては、先天性、後天性を問わず、その原因療法が難しい場合が多い。
 
 
したがって今日では、カリウムを多く含んだ食餌療法および大脳を圧迫している過剰な髄液を排除する方法が用いられています。
 
 
ビニール管を用いて、外科的に頭蓋内から過剰髄液を前大静脈内や右心房あるいは腹腔へ排出させる方法(短絡手術shunt operation)がありますが、一時、症状の改善が見られる程度で完治は困難です。
 
 
この場合、感染には十分注意する。

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