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脾臓の疾患 ~ 脾の損傷・脾の腫瘍

脾臓の疾患 ~ 脾の損傷・脾の腫瘍 肝・胆嚢・脾および膵の疾患

 
 

脾の損傷(injuries of the spleen)

 
 
脾臓は組織が柔らかく血液に富み、とくに腫大している場合には、刺創、射創、打撲、蹴傷、転落、輪轢などで容易に損傷をきたすものです。
 
 
牛ではまれに嚥下異物が胃壁を穿孔して脾臓に刺入し、創傷性脾炎をおこすことがあります。また犬において嚥下した竹串が消化管から腹腔に出て、脾臓に刺入したのち、腹壁を穿孔通過して自然排出されたものや、創傷性脾炎および脾に膿瘍をおこして予後不良に陥った例があります。
 
 
脾臓が打撲を受けた場合、脾臓の被膜下で、主として実質が傷害されたときは、これを脾挫傷contusion of the spleenといい、被膜と実質がともに損傷を受けた場合は脾破裂rupture of the spleenという。
 
 
脾の損傷が小さいときは、出血も少ないので破綻した組織は凝血や大網に包まれて限局性の小血腫にとどまり、その病巣は、徐々に器質化して回復に向かうものです。
 
 
しかし、稀れにではありますが、その経過中に細網内皮症を続発したと思われるものがあります。外力が強いときは、ショック症状を呈し、また脾の損傷が大きいときは、徐々に出血の量を増し、大網に包まれて、大きな血腫すなわち、脾臓血腫hematoma of the spleenを形成する。
 
 
この場合、出血性ショックの症状を現し、数日後に死の転帰をとるものがある。なお、脾の損傷と同時に、肝臓やそのほかの臓器の傷害を受け、重篤な症状を招くことがあります。
 
 
一般に脾臓が大きな損傷を受けるときは、元気沈衰し、腹部膨大、貧血、体温および血圧の下降、心機能傷害などの腹腔内出血症状、あるいはショック症状を呈するので、ただちに十分な対症処置をほどこしながら、開腹して脾臓の損傷部の止血、縫合を行う。
 
 
また、大網に包まれ、大きな脾臓血腫を形成しているものでは、血腫とともに脾臓の全摘出を行う。
 
 

脾の腫瘍(neoplasms of the spleen)

 
 
家畜の脾臓における腫瘍の発生は、比較的稀れです。
 
 
原発性のものは、主としてリンパ肉腫、血管内皮腫、血管肉腫、細網肉腫などがあり、また転移性腫瘍としては、伝染性円形細胞肉腫、肥胖細胞腫、リンパ肉腫、黒肉腫、癌腫などがあげられます。
 
 
治療法としては、合併症がないかぎり、脾臓の摘出術を行う。

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