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胸壁、胸膜、縦隔、気管、肺および横隔膜の疾患 ~ 胸部の検査法・開胸手術法

胸壁、胸膜、縦隔、気管、肺および横隔膜の疾患 ~ 胸部の検査法・開胸手術法 胸壁、胸膜、縦隔、気管、肺および横隔膜の疾患

 
 

胸部の検査法

 
 
胸部の疾患を診断するためには、胸壁や前胸部に発生するもの、および胸腔内臓器の疾患の有無について、種々の角度から検査しなければなりません。
 
 
胸壁や前胸部の体表における損傷や血腫、粘液嚢炎、瘻孔、腫瘍などは視診や触診などの一般検査で診断することができる。また肋骨、その他の骨折もX線検査を加え、比較的容易に診断できますが、胸腔内臓器の疾患の場合は、多くの特殊検査法が用いられています。
 
 
すなわち、疾患の種類に応じて適宜選択し、とくに手術を前提とする場合は、事前に全身状態を良く把握し、十分な対症処置をほどこしておく必要があります。
 
 

胸部の特殊検査法の項目

Ⅰ.X線検査
  透視、単純撮影、食道造影、気管支造影、心臓血管造影

Ⅱ.内視鏡検査
  気管支鏡検査(ファイバースコープ)、食道鏡検査、胸腔鏡検査

Ⅲ.細胞および細菌学的検査
  喀痰、滲出液、病変部組織(バイオプシー)

ⅳ.心機能検査
  心電図、心音図、心臓カテーテル

Ⅴ.心臓の超音波検査(UCG)

Ⅵ.肺機能検査

 
 

開胸手術法(Thoracotomy)

 
 
家畜における開胸手術は、犬および猫で多く行われ、牛その他の動物でも稀に実施されることがあります。開胸術は、肺が陽圧下にさらされるため、肺換気や循環器系の機能の変化について十分に注意を払う必要がある。
 
 
気管内挿管によるガス麻酔(ハロタン、イソフルラン、エンフルランなど)によって比較的安全に実施できるようになりましたが、とくに術中、術後の管理には慎重を要する。
 
 
開胸手術には、次のような種類があります。
 
 
側壁開胸術(lateral thoracotomy)横臥位保定とし、右または左の胸壁において、手術する臓器にもっとも近い肋間を選んで切皮して開胸する。
 
 
この場合、閉胸時の肋間筋の縫合を考慮して、肋間筋の中央で切開し、また陽圧呼吸に伴う肺の膨縮の状態を良く観察する。この方法は広い視野が得られるので、気管、食道、心臓および肺臓の手術をはじめ、横隔膜ヘルニア、膿胸、乳糜胸、血胸などの外科的治療および腫瘍の摘出などの場合に用いられる。
 
 
現在、犬、猫の胸部外科でもっとも広く実施されています。
 
 
胸骨縦切開術(median sternotomy)仰臥位保定とし、胸骨の上縁から上腹部に向かい正中線上を切皮し、電気鋸で胸骨を縦切開する。
 
 
この場合は胸膜腔を開かずに心臓を露出することができる。この方法は、より広い術野すなわち、左右両側の胸腔内が同時に露出できるので、人工心肺装置による開心術の際に多く用いれられている。
 
 
胸骨横断両側開胸術(transsternal bilateral thoracotomy)両側第六肋間上を切皮し、胸骨を横断して両側胸膜腔を開胸する方法で、大きな視野が得られる利点がある。
 
 
閉胸は次のように実施される。
 
 
すなわち、止血を完全に行い凝血を除き、微温湯で胸腔内を良く洗浄する。肺からの空気洩れや機械、ガーゼの置き忘れがないことを確認して順層的に閉胸する。
 
 
なおこの場合、吸引管を挿入して排気や排液を2~3日間実施する。

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