家畜にはCa, P, Mgの適切な給餌が必要であり、平衡異常の疾病が多い。
Ca必要量
成長期には骨の成長の為に大量のCaが必要です。
畜産で飼育されている全頭羽数の90%以上が成長期動物です。
胎子の成長に見合うCaの給与が必要です。(摂取が不足すると骨組織から補われる)
牛乳中のCa量は多く、1日の分泌量は20g以上にもなります。搾乳牛は殆どの期間が妊娠期でもあり、胎子の発育に必要なCa量も相加される。
卵殻形成のために大量のCaが消費される。
鶏の血漿中Ca濃度は哺乳動物の約2倍ですが、変動幅は小さい。
消化管から吸収されたCaはいったん骨に蓄えられ、卵殻形成時に動員されるが、変動幅は小さい。
消化管から吸収されたCaはいったん骨に蓄えられ、卵殻形成時に動員される。
P必要量
Pの吸収量は採食飼料中の吸収可能量によって一義的に決まるので、飼料中に適切な量が含まれていることが要求される。経験的には飼料中のCaとPのモル量が等しいと適切です。
即ち、Ca:Pが重量比で1:0.7程度がよい。この比はどの動物種でも共通する。
Mgの必要量
Mgは細胞の主要な陽イオンであるからその維持や成長にはかなりの量の摂取が必要です。Mgの吸収量は飼料中の吸収可能なMg量によって一義的に決まりますが、飼料は元来が動植物細胞であるから適切な濃度から大幅にずれることはない。
従って低Mg症とかMg過剰症とかは反芻動物以外には少ない。
フィチン酸(phytic acid)および吸収妨害物質
畜産では高カロリー飼料としてトウモロコシとマイロを、高蛋白飼料として大豆を主として用いています。これらの穀類、豆類は大量のフィチン酸を含有している。
フィチン酸はイノシトールの六燐酸エステルであり、1分子が5個までの2価イオンと結合できる。CaもMgもフィチンのPと約1:1まで結合して水に不溶性で非吸収性になる。
穀類や豆類に含まれるPの50~99%はフィチン酸のPであり、含有するCaやMgもこれと結合して吸収されない。即ち穀類や豆類では含有するCa、Mg、Pが非吸収性であり、別途に添加する必要がある。
反芻動物ではフィチン酸を第一胃で分解するので問題はない。
フィチン酸は熱処理によって分解するのでヒトの栄養学では問題にされない。フィチン酸が問題になるのは豚と鶏です。
豚や鶏の糞は多量のフィチン酸を含むために、土壌や水界のリン汚染の原因になる。細菌から分離したフィターゼ(フィチン酸分解酵素)を飼料に添加すると、そのリン酸が遊離されて吸収されるのでリンの排泄量を他の動物種なみに減らすことができる。
植物中のシュウ酸や含硫配糖体がCaやMgの吸収を妨害する。

