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筋弛緩薬(muscle relaxants) ~ 筋弛緩薬はその作用機序の電気生理学的差異によって競合拮抗型と脱分極型に分けられる

d-ツボクラリン 自律神経節と神経筋接合部

 
 
神経筋接合部が遮断されると筋は弛緩するので、神経筋遮断薬(neuromuscular blocking agents)は筋弛緩薬とも呼ばれています。
 
 
筋弛緩薬はその作用機序の電気生理学的差異によって競合拮抗型と脱分極型に分けられる。
 
 

競合拮抗型

 
 
この型の筋弛緩薬は終末板のニコチン受容体(Nm)と親和性をもち、アセチルコリンと競合して結合するが、結合しても受容体を作動させない
 
 
このために神経興奮の伝達は遮断される。
 
 
即ち、十分量が作用した場合には終末板のシナプス後膜が刺激に反応しない現象、いわゆる膜の安定化(stabilization)が起こる。
 
 
この型の代表薬であるd-ツボクラリンの低濃度溶液をマイクロピペットで神経筋接合部に適用すると、神経刺激による終末板電位(end-plate potential,EPP)が抑制される。
 
 
ツボクラリンの濃度を上げてゆくとEPPに対する抑制が強くなり、筋活動電位が発生しなくなる。
 
 
さらに高濃度になると神経刺激によってEPPが発生しなくなる。筋にツボクラリンが十分に作用した状態でも、終末板以外には作用しないので、筋は直接電気刺激やカリウムイオンに反応して収縮する。
 
 

脱分極型

 
 
この型の作用機序を持つ薬物は終末板のアセチルコリン受容体と結合し、シナプス後膜を脱分極させる。薬物濃度が十分であれば、受容体から容易には離脱しないので、終末板は持続的に脱分極されたままになる
 
 
またEPPによって筋活動電位が発生するための域値が著明に上昇する。このために神経筋興奮伝達が遮断される。この型の薬物では脱分極を起こすために初期に一過性の筋興奮が認められ、その後に脱分極状態が持続する。
 
 
しかし遮断作用がさらに持続していると、次第に競合拮抗型と同様なシナプス後膜の安定化へと移行する。
 
 
競合型遮断薬と脱分極型遮断薬の作用様式を比較すると著明な差異が見られる。
 
 

競合型遮断薬

●代表的薬物

ツボクラリン
・パンクロニウム

●感受性の動物種差

・小さい
・ネコ<ウサギ<ラット
・ネコ/ラット=0.5

●筋による感受性の差

・躯体筋>四肢筋

●初期筋興奮

・なし

●ネオスチグミン

・拮抗

 
 


 
 

脱分極型遮断薬

●代表的薬物

スキサメトニウム
・デカメトニウム

●感受性の動物種差

・大きい
・ネコ>ウサギ>ラット
・ネコ/ラット=200

●筋による感受性の差

・躯体筋<四肢筋

●初期筋興奮

・あり、胸腹壁筋に著明

●ネオスチグミン

・初期興奮だけ増強

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