特異的β₂作動薬で、吸収分布性に優れ、経口投与によって数時間の有効性が期待できる。
平滑筋弛緩
小用量の投与によって気管支筋弛緩作用が現れる。
牛・羊・豚の妊娠後期子宮に対しては強い弛緩作用を示す。
分布改善作用(repartitioning)
肉牛や肥育豚の飼料に高濃度添加して給餌すると筋肉量が増加する。
組織学的には筋細胞数が変わらずに個々の細胞が大きくなる。筋肉量の増加と同時に脂肪量が減少するので、この作用は分布改善作用と呼ばれています。
飼料効率も10~20%改善され、また肉の赤味を増すので屠殺時の格付け評価が上がる。
β₂作動薬のこの作用を期待して、分布改善作用に特異性の高い専用飼料添加薬が開発されており、シマテロール(cimaterol)、ラクトパミン(ractopamine)、サルブタモール(salbutamol)などが知られている。
これらの専用薬では低用量の添加で有効です。
臨床応用
人体用では経口錠剤が喘息の予防治療薬として用いられている。動物用では飼料添加剤や注射剤が欧米で販売されており、慢性呼吸器感染症の症状改善と子宮・産道弛緩に用いられる。
繁殖領域での主な使用目的は夜間分娩の停止であり、投与によって出産を翌朝まで遅延させる。助産や死産防止の目的にも用いる。
残留
クレンブテロールを分布改善に用いるには気管支拡張に用いる用量の10倍量を飼料に添加する必要がある。
しかし肝への残留性が高いので飼料添加剤の分布改善作用を承認している国はない。
しかし欧州では原体粉末がブラックマーケットに出回ったために、薬物が残留する肝臓を食べたために起こるヒトのβ₂作動薬中毒が、1991~92年にかけて数百例も発生しました。

