毒ガ幼虫症は鱗翅目に属するガの幼虫の毒毛(毒腺毛、毒針毛)あるいは毒毛を含む抜け殻・まゆなどに、動物やヒトが接触したり、あるいはこれらを嚥下して発症します。
本邦で重要なガの種類は、イラガ科のイラガ、ドクガ科のドクガ、チャドクガ、カレハガ科のいくつかの種類です。前2科の種類はヒトの皮膚炎の発生に重要ですが、動物ではカレハガ科の種類が重要です。
カレハガ科のなかでは、マツカレハがもっともふつうであり、他にツガカレハ、クヌギカレハ、ヤマダカレハ、カレハ、ヨシカレハ、タケカレハなどがふつうにみられます。
これらのガの幼虫は毒針毛を有しており、動物がこれに触れると、皮膚に刺さり激しい疼痛と皮膚炎を生じます。刺し傷はマツカレハが最も激しく、ツガカレハ、クヌギカレハも同様の症状です。
毒ガ幼虫症の発生は放牧場に重要で、かつては放牧馬に年々かなりの発生があり、特に東北地方で被害がおおきかった。
毒毛に接触して現れる皮膚・粘膜の症状は、ガの種類により異なり、毒腺毛では一時的な激痛ですが、毒針毛では持続的な症状を残します。
皮膚病変の好発部位は繋、球節、蹄冠などの肢端部で次に前膊、口唇、まれに体軀です。刺された局所には腫脹、発疹、熱感がみられ、疼痛のために跛行します。
慢性に経過するものでは、患部に硬結が生じ、好酸球浸潤と毛細管の新生がみられ、脱毛、潰瘍を生じ、粘膜膿様の滲出液によって痂皮を形成します。
肢端などでは骨膜炎から骨瘤を増生することもまれではありません。全身症状は必発ではありませんが、初期に軽度な発熱をみたり、全身性の蕁麻疹を生じ、まれに体表リンパ節の腫脹をみることがあります。
鱗翅目の毒ガ幼虫や毒毛で汚染した草を食した家畜、犬に激しい腸炎や口内炎が発生した記載もあります。
毒ガ(蛾)幼虫症の症状 ~ 動物が毒針毛に触れると、皮膚に刺さり激しい疼痛と皮膚炎を生じます
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