BALについて
バルは砒素ガス(ルイサイト)に対するSH反応学説に基づく解毒薬としてPeter氏によって創製されたもので、British Anti leuisiteの頭文字から命名されました。
性状
主成分は、2-3 Dimercapto-propanolで無色の液体、比重1.24、水には7%溶解するか分解しやすく、メルカプタン臭があり、下記の構造式を有します。
CH₂-SH
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CH-SH
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CH₂-OH
薬剤は精製落花生油に5%あるいは安息香酸ベンジル10%に溶かして用いる。
解毒作用
BALは無機および有機砒素化合物などと結合して不溶解性で安定な化合物を作るため、細胞の組織蛋白に結びついている砒素と結合しチオ砒酸アルキルとなり尿中へ排泄します。
BALは砒素、水銀、鉛、アンチモン、ビスムートなど一般の有毒金属に対して有効な解毒剤です。
用量
4時間毎に筋肉内注射を繰返し、以後症状によって漸次減量しますが、大量に過ぎると本剤自身の毒性があるので注意を要します。
中動物で1回BAL100~200mgが標準です。

