本症は脊椎の関節を冒す慢性の疾患で、2個またはそれ以上の椎骨が、骨性強直をきたすもので、変形性脊椎症spondylosis deformansともいわれます。
すなわち、椎間板の髄核が腹側に突出して、腹縦靭帯およびそれに隣接する骨膜を刺激し、骨の増殖をきたして椎骨の癒着を生ぜしめるものであって、犬について、しばしば観察されています。
この時X線検査によって、2個の椎体の腹面に、前後から骨が増殖してついに癒合し、半月状の膨隆を形成する有様を観察するこができます。
またこの時、関節突起間にも同様な骨増殖像が認められることがあります。
犬は腰部に圧痛があり、しばしば背を屈し、臥位から起立し、あるいは階段を昇ることを嫌い、歩行時に後軀が動揺します。
しかし、本症はかならずしも臨床症状を伴わず、X線写真によって偶然に発見することが少なくない。
治療法としては安静にし、鎮痛剤投与、電気療法を行います。
骨の強直が完了すれば、疼痛は消失します。4~5個の腰椎または胸椎が強直をおこすことがあっても、運動機能に重度の支障をきたすことはむしろ少ない。
本症は年齢の多い馬、ことに重種、種雄牛、および雌豚にも発見されます。
種雄牛における本症の発生は、射精時の動作と関連があり、椎間板ヘルニア(腹側)がその一因をなすとも考えられていますが、精液採取が困難になるため、経済的損失が大きい。
馬、豚における発病要因は不明です。
症状、経過および治療法は犬について述べたところと同様です。
強直性脊椎症(Ankylosing Spondylosis) ~ 脊椎の関節を冒す慢性の疾患
関節の疾患
