原因
打撲、衝突、墜落、転倒などの際に、鈍性の外力が直接、関節部に加わって(直達的)、あるいは、骨の他の部に加わった力が介達的にはたらいて、関節の挫傷をおこします。
多くは突発します。
症状
皮下出血のため、関節周囲が腫脹し、炎症反応がおこれば腫脹は拡大・増強し、深部にもおよびます。
かなり強い圧痛があり、他動運動に対してすべての方向に疼痛を発し、自動運動を嫌う。跛行が著しい。局所の熱感は急性炎症に比して軽い。
外力が強大なときは、筋肉、腱、靭帯、腱鞘、粘液嚢、関節包など軟部組織の激伸、断裂を生じ、時には捻挫、脱臼、関節骨折を発し、また関節炎が継発します。
脊椎の挫傷の場合には、脊髄または脊髄神経の損傷を生じ、その軽重の程度によって、一過性あるいは長期間の神経症状が現れます。
予後
単純な挫傷は初期に適切な治療を行えば治癒しやすい。
しかし、損傷が重度の場合には経過がながく、特に関節骨折あるいは関節炎を併発する時は予後不良です。
治療法
初期の安静保持が要点で、疼痛の著しいものには固定法をほどこします。急性期にはブーロ液などを用いて冷罨法を行い、また感染防止のために、化学療法をほどこす。
出血、滲出液の吸収を促進する目的には温罨法、超音波療法などが行われます。慢性化の傾向がある時には、皮膚刺激剤の塗布、焼烙などが応用されます。
すべての急性症状が軽減したならば、ただちにマッサージ、軽運動によって後遺症の予防、関節機能の回復をはかる。
関節腔内に変状がある時は、特に慎重が必要です。関節血症、滲出液関節腔内貯溜の際は、穿刺して内容を除去することもあります。
関節内障(internal derangement of joints)
関節が損傷をうけた時、関節腔内に出血、あるいは腔内組織が損傷をこうむった場合、これを関節内障といい、損傷の程度により関節運動は障害され、関節炎を継発しやすく、また関節強直に移行することもあります。
関節内出血(関節血腫)hemarthros, hemarthrosis, 関節内骨折intraarticular fracture, 骨端離開(骨端(線)の骨折分離)epiphysiolysis, separation of epiphysisなどがあります。
大腿骨骨頭では、骨の成長期前後に非感染症、骨形成異常にもとづく、骨頭骨端線の離開がおこるといわれていますが、これは外傷性のものと区別されています。
また関節内靭帯、関節半月、関節円板が損傷をうけることがあります。

