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脊髄の損傷(原因・病変)

脊髄の損傷(原因・病変) 神経系の疾患

 
 

脊髄の損傷(injuries of the spinal cord)

 
 
脊髄の損傷は物理的な力が脊柱に加わることによって発生します。
 
 
種々の疾患たとえば犬や馬におこる急性椎間板ヘルニア、頸椎の亜脱臼などの際に発現する臨床徴候および病的変化は、脊髄の損傷がもとになっています。
 
 
脊髄の損傷の大多数の例は圧迫による横断性脊髄障害の像を呈する。その他、神経根が伸張して神経内出血がおこり、またそれに続く神経が挫傷をうけてあとに瘢痕が形成され、機能が阻害されることがあります。
 
 

脊髄の損傷の原因

 
 
交通事故、衝突、転倒、墜落などによる脊椎の骨折や脱臼がもっとも普通の原因です。
 
 
泥沼にはまった、溝やサイロに落ちた、あるいは垣根にひっかかった大型の牛を助けだす時手荒く扱うと、頸と腰の椎骨と脊髄に、また分娩時に過度に牽引することによって新生子牛の胸腰椎移行部に、損傷が生ずることがある。
 
 
一方、難産の介助に起因する母牛の脊柱の損傷あるいは発情した牛同士の駕乗にもとづく麻痺は、一般に仙髄または馬尾神経に生ずる。
 
 
これに対して小動物では外傷性におこる椎間板ヘルニアによって脊髄が損傷をうける症例がむしろ普通で、それはしばしば椎骨の骨折、脱臼などと同時に発生する。
 
 
その他の外傷性の原因としては、脊椎の過屈曲hyperflexionまたは過伸展hyperextensionの突発によって脊髄の挫傷が生ずることがあり、また外力の作用で一過性に脊髄震盪spinal cord concussionがおこることがあると考えられています。
 
 

脊髄の病変

 
 
損傷をうけた脊髄の灰白質に中心性出血性壊死が発生し、それが近接の白質に浮腫をおこさせる(出血性壊死がなければ浮腫は発生しない)。
 
 
その結果脊髄が膨脹し、脊髄硬膜は圧排されて極度に緊張する。
 
 
その結果は逆に脊髄の圧迫から虚血、酸素不足、出血などをひきおこすことになり、組織の酸素不足と透過性亢進のため、浮腫がさらに増進するという悪循環がおこって、ついには不可逆性の壊死に陥る。
 
 
脊髄組織が圧迫をうける時、それが軽度の場合は機能不全dysfunctionにとどまるが、重度の時には障害が不可逆性になる。
 
 
また圧迫作用が急速に加わる時ほど危険度は高い。
 
 
このように損傷によって脊髄に発生する浮腫はおそるべき結果を招きますから、これを予防することが特に大切であり、また発生した場合には強力な治療が必要です。

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