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真菌感染症の化学療法(chemotherapy of the fungal diseases) ~ 家畜では、耳、眼、皮膚などの真菌感染がしばしば発生します

真菌感染症の化学療法(chemotherapy of the fungal diseases) 化学療法および理学療法

 
 

真菌感染症の化学療法

 
 
広域抗生物質の長期大量投与の結果として、菌交代現象がおこり、発育を阻害された細菌にかわってCandida(Monilia)、Aspergillus.Cryptococcusなどの真菌類が増殖して、あらたに交代菌症をひきおこすことがあります。
 
 
また家畜では、耳、眼、皮膚などの真菌感染がしばしば発生します。抗真菌薬には、局所的に使用するものと全身的にも投与できる抗生物質とがある。
 
 
局所的に使用する抗真菌薬には、脂肪酸(ウンデシレン酸、カプリル酸、プロピオン酸)、安息香酸、サルチル酸、カプリミキシン、サイアベンダゾールなどがある。
 
 
またカルボールフクシン液、ゲンチアナバイオレットなどの色素剤およびトリコマイシン、バリオチンなどの抗生物質も使われます。
 
 
真菌感染症には、細菌感染が合併することが多いので、防腐薬のうち、細菌と真菌の両者に有効な石灰酸、ヨード、水銀の製剤、あるいは抗真菌薬と抗細菌薬の合剤が、しばしば使用されます。
 
 
しかし、たとえば皮膚カンジダ症の場合に、フラジオマイシン、ヘキサクロロフェンあるいはコルチコステロイド剤を併用すると、かえって真菌の増殖をうながす結果になるので注意する必要があります。
 
 
全身的に使用される抗真菌薬は、主として抗生物質で、ナイスタチン、アンホテリシンBおよびグリセオフルビンがよく知られています。
 
 

ナイスタチン

ポリエン系抗生物質で、真菌と原虫の細胞質膜に含まれるエルゴステロールと結合して、膜の透過性を変える障害作用があり、膜にステロール類を含まない細菌には作用しない。

主として、皮膚真菌症および口腔カンジダ症に対して局所的に使用されますが、胃腸内のカンジダの異常増殖に対しては経口的に投与される(胃腸からの吸収は少ない)。しかし溶血作用が強いため、非経口的投与は行われない。

 
 

アンホテリシンB

ポリエン系抗生物質で、作用機序や細菌に対して無効な点はナイスタチンと同様です。可溶性の製剤がつくられ、静脈内注射が可能なためブラストミセス、ヒストプラズマ、コクシディオイデスなどの感染によっておこる深部真菌症(気管支、肺、胸膜腔)の治療に用いられる。

使用時には5%ブドウ糖液で0.1mg/ml以下に希釈し、毎回6時間以上の時間をかけて、静脈内に点滴注入する。しかし毒性が強く腎障害が生じやすいので、BUNの検査が不可欠です。

尿円柱(細胞円柱、顆粒円柱)、血尿、タンパク尿が見られる。その他、発熱、悪心、嘔吐、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがおこる。

 
 

グリセオフルビン

DNAの合成を促進して、異常な細胞をつくる作用がある。野菜、リンゴなどの植物に寄生する真菌の菌糸のねじれ、膨張、屈曲、過剰分枝と、分生胞子の短縮をおこすこと(curling effect)が知られて、はじめ農薬として使用されたが、後にモルモットの実験白癬症と子牛の白癬菌感染に著効が認められて、人畜に応用されるようになりました。

トリコフィトン類、エピデルモフィトン、小胞子菌類に有効で、深在性の真菌、皮膚酵母、アスペルギルス、カンジダおよび細菌には無効です。また静菌作用を呈します。

用法は経口投与で、容易に吸収されて血液からケラチン含有組織に移行する性質があり、選択的に皮膚、毛、爪、蹄を生成する上皮細胞に濃厚に集まって、糸状菌の侵入を妨げる。

疾病によっては治療期間が1~6ヶ月にもおよび、症状が消失しても、真菌検査の結果が陰性になるまでは、2週間以上投薬を継続する必要があります。

毒性は低いが、一過性に胃腸障害、蕁麻疹、頭痛などがおこることがある。脂肪に富む食物の摂取後に投与すると吸収が促進されます。外用の効果は著しく低い。

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