反芻動物が摂取した飼料のうち線維などの炭水化物はルーメン内ですべてが低級脂肪酸に変り、蛋白などの窒素化合物は全てがアンモニアに変る。
この脂肪酸とアンモニアを栄養源としてルーメン微生物が増殖し、牛はこの微生物を消化して栄養にしている。
もし良質の炭水化物、例えば澱粉を大量に給餌すれば乳酸中毒になって死亡するし、もし良質の蛋白、例えばカゼインを大量に給餌すればアンモニア中毒になって死亡する。
つまり反芻動物は粗食にしか耐えない動物ですが、粗飼料を多く与えたのでは家畜としての生産効率が低い。
反芻動物の飼育ではどのように高カロリー飼料や高蛋白飼料を給餌するかが飼養技術になっています。例えばルーメン微生物には分解され難いが動物には消化できる蛋白を給餌するとか、栄養成分を適当な方法で保護してルーメン分解されないようにする技術も開発されています。
反芻胃の生理的特色
第2胃をポンプとする反射性の運動が常に内容を混合しているし、反芻とも関連してくる。
この運動が止まると経口投与した薬物の吸収が著しく遅延する。
発酵によって揮発性低級脂肪酸(VFA)が生産されるので中和されないとpHが3にまで下がる可能性がある。
唾液は重炭酸塩とリン酸塩によってpHが8.2になった液であり、牛では1日に100~200lが分泌されるのでルーメン内のpHを6~7に保つ。
発酵の盛んな部分であるから直腸温より1~2℃高くなる。
一般に低張(260~300 mOsm)です。
採食直後に上がるが再び下がる。
水素ガスの発生が多く、一般に還元的環境(-300mV前後)であり、また嫌気的環境でもある。
CO₂、CH₄、H₂、NH₃が発生する。
飼料摂取中に5~10l/h、摂取後に50l/hが発生する。
CO₂が最も多い。
CH₄、H₂、NH₃は栄養源になるので、ガスとしての発生を抑制すれば飼料効率が上がる。
細菌が多く、粗飼料多給では菌数が10⁸/ml程度ですが、穀物を多くするとこの千倍以上にもなる。
分裂は速く、一部の菌では20分に1回分裂するから1日で1細胞が1兆細胞にもなる可能性がある。
原虫は少なく、10⁶/ml程度であるが、細菌を栄養として増殖する。牛は原虫を消化できないので、ルーメン内の原虫数を低下させると飼料効率が上がる。

