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メチルキサンチン誘導体(methylxanthine derivatives) ~ 主な薬物はカフェイン、テオフィリン、テオブロミン

抗喘息薬 呼吸器循環・体液平衡

 
 

抗喘息薬(anti-asthmatics)

 
 
喘息の発作では気管支平滑筋が収縮して管の直径が約半分になり、気道断面積が1/4~1/25になり、気流抵抗は16~100倍になる。
 
 
元来、肺の吸入力は呼吸筋の協力のために極めて強いが、呼出力は弱い。
 
 
したがって喘息の発作では吸気過程があまり影響されずに呼気過程が著しく遅くなる。家畜での喘息は小型犬に極めて稀にみられる。
 
 
また馬の息癆は喘息様であり、少なくともその一部は真菌を原因とするアレルギー疾患です。
 
 
アレルギー性喘息では肺組織の肥満細胞からSRS-Aなどのアレルギー媒介物質が放出されて気管支筋を収縮させると考えられています。
 
 
したがって喘息の予防治療に用いられる薬物は①気管支平滑筋を弛緩させる薬物か、②アレルギー媒介物質の遊離や作用を抑制する薬物です。
 
 

メチルキサンチン誘導体(methylxanthine derivatives)

 
 
メチルキサンチン誘導体に属する主な薬物はカフェイン(caffeine)、テオフィリン(theophylline)、テオブロミン(theobromine)です。いずれの化合物もコーヒー、ココア、茶、コーラなどの所謂カフェイン飲料に含まれています。
 
 
メチルキサンチン誘導体は中枢神経、心、骨格筋を興奮させ、平滑筋を弛緩させる。医薬品としては事実上テオフィリン製剤だけが気管支拡張薬として用いられている。
 
 

体内動態

 
 

吸収

メチルキサンチンは水溶性が低く有機溶媒にも難溶性です。

従って水溶性の高い複塩として用いられる事が多い。

しかし経口投与後の吸収速度は水溶性複塩でも遊離塩基でも同じく速やかで、1時間程度で血中濃度が最高になる。

ドーピングの目的で馬に茶殻を給餌した後のカフェインの吸収速度は遅い。

注射には水溶性複塩が用いられるが、筋注後の吸収は速やかです。

 

体内消失

吸収された殆どの量が肝で代謝されて尿中に出る。

血中半減期は2時間程度であるから、持続的に作用させるためには1日に3~4回の投与が必要です。

 
 

薬理作用

 
 

中枢神経

大脳皮質から延髄に至るまでの脳全体に興奮作用を示し、運動興奮、呼吸興奮、不眠がみられる。

大量投与では痙攣し、さらに呼吸麻痺に陥る。

 

循環系

心筋に直接作用して収縮力を強める。

血管平滑筋に対して軽度の弛緩作用を示す。

 

血管外平滑筋

気管支や胆管の平滑筋を弛緩させる。

特に病的に収縮した気管支平滑筋に対する弛緩作用が強い。

腸管平滑筋へはほとんど作用しない。

 

利尿作用

腎のNa⁺、C1⁻、水分の排泄を促進する。

尿細管におけるNa⁺再吸収抑制によるが、弱い抗アルドステロン作用も主張されている。

犬における利尿作用では耐性発現が速やかであり、2~3回の投与によって反応がみられなくなる。

 

骨格筋

興奮性を高め、疲労の発現を遅らせる。

この作用は比較的弱い。

 

代謝

基礎代謝を軽度に高める。

 

薬物の比較

三つのキサンチン誘導体の効力は、いずれの作用についてもテオフィリンが最も強く、カフェインがこれに次ぐ。

テオブロミンはいずれの作用についても最も弱い。

 
 

臨床応用

 
 
テオフィリンの作用では気管支拡張作用が最も強く、血漿中濃度10㎍/ml前後で有効ですが、この2倍の濃度になると中枢神経や心に興奮作用を示す。
 
 
投与の対象になる疾病は、①牛馬における息癆などの呼吸困難
 
 
②犬猫における慢性的呼吸困難症
 
 
③犬猫の外科手術時に発生した急性呼吸困難などです。
 
 
メチルキサンチンは①強心作用
 
 
②末梢血管拡張作用
 
 
③利尿作用を合わせ持つので、急性心不全に対しても用いることが出来ますが、頻回投与が必要な点で不便でもある。
 
 

薬剤と製剤

 
 

テオフィリン

徐放性経口錠剤として用いられる。

投与する個体の体内動態を調べれば、中枢興奮を起こさせずに気管支平滑筋だけに作用させる長期投与計画を立てることが出来る。

 

アミノフィリン(aminophylline, エチレンジアミン テオフィリン複塩)

テオフィリンの水溶性複塩で急性呼吸困難に対して注射剤を用いる。

経口剤も売られている。

 

アンナカ(安息香酸ナトリウムカフェイン)

カフェインの水溶性複塩で経口・注射で用いる。

 
 

副作用

 
 
犬や馬では薬用量での副作用発現頻度がヒトより低い。
 
 
過量投与によって強度の中枢興奮や運動不全が起こる。
 
 
豚では毒性が強い。

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