呼吸器循環・体液平衡救急療法(Emergency Treatment) 救急処置を必要とする急患の通知を受けた場合は、まず患畜の全身的状態と損傷の部位や程度を聞き、診療にあたっては、次のような順序で手際よくすみやかに行う必要があります。診断・治療に必要な検査脈拍、呼吸、体温、血圧の測定、瞳孔、体表および天然孔、... 2022.02.11呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡牛のコバルト欠乏症 ~ 成長期の幼若牛に、柔らかい牧草の多い早春期に発生し易い 子牛が2か月齢を過ぎるとルーメン機能が十分に発達し、粗飼料の摂取が多くなります。従って多量のプロピオン酸が吸収されて利用されるのでVB₁₂の必要量が多くなります。しかし低コバルト地帯では、コバルト補給が間に合わずにルーメン内のVB₁₂の生産... 2022.01.05呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡葉酸(folic acid) ~ 鶏は飼料中の葉酸が欠乏すると貧血やペローシス(腱の変位による運動障害)を発症します 葉酸は抗貧血作用を持つ水溶性ビタミンで、活性型は5-メチル四水素葉酸(MeH₄葉酸)です。植物や微生物は活性型を合成するし、食料・飼料中にも活性型で存在します。初期の研究では抽出過程で安定で不活性型の葉酸に変ったが、この物質も欠乏動物に経口... 2022.01.04呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡ビタミンB₁₂(vitamin B₁₂), シアノコバラミン(cyanocobalamin) ビタミンB₁₂(VB₁₂)は抗貧血性の水溶性ビタミンで、分子内にコバルトを含むので赤色の結晶になる。動物や植物にはVB₁₂を合成する能力がなく、全てのVB₁₂は土壌中や腸内の細菌に由来する。動植物はVB₁₂を吸収して利用する。高等植物は体内... 2022.01.03呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡硫酸鉄(ferrous sulfate,経口用鉄化合物) ~ 貧血で最も多いのは鉄欠乏貧血であり、その予防治療に鉄化合物が用いられる 貧血で最も多いのは鉄欠乏貧血であり、その予防治療に鉄化合物が用いられる。経口投与する鉄化合物には水溶性の鉄塩を用いる。硫酸鉄(硫酸第一鉄)は最も汎用される化合物です。経口吸収人では二価鉄の経口吸収率が三価鉄より高いが、鶏やラットの試験では、... 2022.01.03呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡デキストラン鉄(iron dextran complex,注射用鉄化合物) デキストラン鉄は水酸化第二鉄と低分子デキストランとの複合化合物で、通常の製剤は1ml中に100mgの鉄を含有する筋注用製剤です。人ではアレルギーを起こしやすい薬物に分類されていますが家畜での過敏症は極めて稀です。臨床応用動物用医薬品としては... 2022.01.02呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡ワルファリン(warfarin) ~ 慢性的な血栓症の治療(予防)に経口投与で用いる 1920年代にカナダで変敗スイートクローバ(サイレージ)による牛の集団中毒が発生しました。この中毒は全身性の出血斑が特色であり、原因物質はクマリンの誘導体でした。この知識から経口投与で有効な抗凝固薬として多くのクマリン誘導体が作られたが、ワ... 2022.01.02呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡ヘパリン(heparin) ~ 治療薬としては急性的な血栓症に用いる 牛の肺か豚の腸粘膜から得られる抗凝固性のムコ多糖類。分子量は5千~1万5千で分子内単糖の殆どが硫酸化されているので強酸性の物質です。Na塩かCa塩のいずれかで用いる。重量あたりの活性が一定しないので生物検定法での単位で表現する。体内動態静注... 2022.01.01呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡アミノカプロン酸(ε-aminocaproic acid),トラネキサム酸(tranexamic acid) アミノカプロン酸はプラスミノーゲン活性化酵素の活性化を阻害し、プラスミンの形成を抑制する。血液凝固抑制薬の過量投与による凝固不全症に特に有効性が高い。また出血性疾患の治療に用いる。通常は経口的に投与する。静注では副作用の危険性があるので、点... 2022.01.01呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡局所止血薬(local hemostatics) 出血局所に適用する止血薬の種類も多い。古くは塩化第二鉄による局所凝固法が用いられたし、皮下血管の出血に対するエピネフリン液の適用は現在でも用いられています。いずれにせよ薬物による局所止血は有効性の高い方法ではない。トロンビン、フィブリノーゲ... 2021.12.31呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡ビタミンK(vitamin K, VK) ~ 全身性止血薬(systemic hemostatics) 全身性止血薬(systemic hemostatics)血管が破綻した場合にどの程度の出血になるかは、①破綻した血管の種類・破綻の程度と周辺組織の状態、②血小板の性格と量、③血液の凝固性、④繊維素溶解因子などの抗凝固活性の状態で決まる。以上... 2021.12.31呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡輸液 ~ 輸液の第一の目的は脱水・水分過剰などの水分代謝異常や電解質平衡異常の補正 輸液の第一の目的は脱水・水分過剰などの水分代謝異常や電解質平衡異常の補正です。さらに手術時の腎障害防止、中毒時の毒物排泄の促進、食欲不振患畜への栄養分補給などにも用いる。輸液の基本成分注射用蒸留水輸液の投与量は体重の10%以上になる可能性も... 2021.12.30呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡カリウム代謝 カリウムの体内動態哺乳動物の体内には平均で50mEq/kg程度のK⁺がありますが、全体の98%以上が細胞内に存在し、細胞外液中には3.5~5mEq/lしか含まれていない。K⁺は①細胞膜の静止電位を維持し、また②細胞内浸透圧を外液より高く保つ... 2021.12.30呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡ショック(shock) ~ ショックは死戦期の病態であり、末梢循環不全のために末梢器官への酸素補給が不十分になることが最も顕著な特徴 ショックは死戦期の病態であり、末梢循環不全のために末梢器官への酸素補給が不十分になることが最も顕著な特徴です。ショックの種類病因的には3種類に大別されている。血液量減少性ショック出血、外傷、火傷、下痢などが原因になる。中心静脈圧の低下のため... 2021.12.29呼吸器循環・体液平衡
呼吸器循環・体液平衡体液の浸透圧平衡 体内の水分と塩分動物は常に体液水分を排泄している。呼気に失われる水分は純粋であり、静止時でも20ml/kg/day程度が失われる。また発汗によって失われる水分も純粋です。(一時に多量に発汗した時の汗は間質液の組成に近づく)。これらの排泄を不... 2021.12.29呼吸器循環・体液平衡