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毛包虫症(症状・予防) ~ 毛包虫は毛包、皮脂腺に寄生し急性・慢性の皮膚炎を発生させる

毛包虫症(症状・予防) ダニ類

 
 
毛包虫症は犬に最も多発し、牛、馬、山羊、豚、めん羊、猫にもみられます。大動物では牛が皮革の経済的損失も含めて重要ですが、他の家畜での重要性は少ない。
 
 
本症の発生は1歳以下の幼獣にほぼ限定されています。毛包虫は毛包、皮脂腺に寄生し急性・慢性の皮膚炎を発生させます。表皮、毛包上皮そして有棘層の肥厚がみられ、毛包は拡張して嚢状となり、なかに虫体、脂肪性のクリーム様物質を含む。
 
 
拡張した毛包の破壊による反応として、周辺組織に多くの好中球、好酸球、大食細胞、線維芽細胞などの浸潤がみられます。このような病変の発生は、虫体による侵襲と虫体から放出される分泌物や排泄物の影響、アレルギー反応の関与によるものと考えられます。
 
 
また、二次感染によって膿疱、潰瘍が形成されます。その結果、皮膚には角化症、結節、壊死、膿疱、脱毛、肥厚、襞壁、アカントージス、痂皮形成などの病変が観察される。
 
 
牛での発症は乳牛に多く、肉牛には少ない。病変は胸、下頸部、前膊、肩に最も普通で、また顔面にもみられるが、体全面にみることは稀です。
 
 
初期症状は小丘疹、結節で、数mmから1cmに達する大きさに腫大し、内部に黄白色のクリーム・チーズ様物質を含む。これらは二次感染によって膿疱・潰瘍となり膿汁を含むようになります。
 
 
大きな病変は肉眼で容易にみられるが、小病変は詳細に検査しなければ確認できない。また、皮膚に肥厚、襞壁、脱毛もみられます。
 
 
犬での発症は生後数か月から約6ヶ月齢までの年齢に多い。調査では、本症の発生は1歳以下が64%を占め、短毛種に58%と高い傾向にあることを示しています。
 
 
病変の好発部位は眼・口唇周辺部などの頭部、次に前肢前・内面です。また、頭部病変のみのものが41%、頭部病変が含まれるもの89%、頭部病変のないものが10%を示しています。
 
 
病変は初期には頭部、前肢に限局しますが、漸次全体に広がって全身性となりますが、蔓延は遅い。また掻痒感は少ない。
 
 
成犬では限局性病変にとどまり、病変部には脱毛、皮膚に肥厚、色素沈着、襞壁形成、落屑増加をみる乾性傾向にあり、鱗屑型を示すことが多い。
 
 
幼犬では急性炎症が強く、全身に広がる傾向があり、二次感染から膿疱を形成し、膿疱型を示すものが多い。病変部には脱毛、皮膚の肥厚、発赤、滲出液、膿による湿潤汚染が認められます。
 
 
激しい全身性の症例には削痩、悪液質、浮腫を認めることもあり、血清蛋白値低下、α2・β・γ-グロブリン増加、アルブミン減少、白血球・好酸球数増加、貧血、血沈促進などの血液変化が認められる。
 
 
山羊の本症は激しく、皮膚病変は牛の本症に類似します。
 
 
めん羊の本症は少ないが、眼・鼻の周辺部、耳端、蹄冠などの短毛部に膿疱と鱗屑の増加が観察されます。馬、豚の本症では頭部に病変をみるのがふつうで、肩、頸部から全身に広がります。病巣部には丘疹、膿疱、鱗屑増加が認められます。
 
 
豚では膿疱の形成をみることが多い。
 
 

毛包虫症の予防

 
 
毛包虫の感染は直接・間接接触によって成立するので、罹患動物は隔離し、動物舎や用具は殺虫剤を用いて、1~2週間間隔で洗浄して殺虫を行う。
 
 
宿主体を離れた毛包虫は1~2日で死滅するといわれています。
 
 
より好ましい予防法は予防的に行う動物への殺虫剤の噴霧、浸漬です。また、動物の栄養障害、衰弱性疾患が発病誘因として関わりがあると考えられるので、飼育条件をよくして健康状態を良好に保つことも必要です。

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