犬に寄生するイヌハイダニは米国(ハワイも含む)、オーストラリア、日本、南アフリカから報告があります。本邦では、千葉県と東京で、各々1例の報告がありますが、その分布は明らかではありません。
イヌハイダニは犬の前頭洞、鼻腔内に寄生し、寄生数は少数から100匹を越すものまであります。ダニ寄生によって粘膜に粘液増加、軽度充血をみますが、組織学的には変状を認めない。
病原性は明らかでなく、一般に症状をみることは少ない。症状として軽度な鼻炎やカタル性前頭洞炎から漿液性・膿性鼻漏、くしゃみをみることがあるが、ダニ寄生に関係すると思える流涙、眼瞼蜂巣炎、無欲的、食欲不振なども知られています。
サル類の呼吸器系に寄生するハイダニ科のダニには多くの種類があり、アジア、アフリカ、南米地域に分布します。サルの気道に寄生する種の多くは、Pneumonyssus属のもので、中でもサルハイダニ(p.simicola)が重要です。
この種はアジア、アフリカ地域のサルに寄生し、特に野生のマカク(macaques)に著しく、アカゲザル(Macacamulatta)には普通の寄生虫とされます。
本邦では実験用、その他の目的で流行地から輸入されるサルに発見されています。
サルハイダニは肺に寄生し、大きさ数mmの斑点状の結節病巣をつくる。病巣は数個から極めて多くを数え、肺表面、深部など肺実質に認められます。
病巣は黄色で軟性で、中央部は空虚でダニが認められます。
幼虫は細気管支への開放路を経て気管支にも存在します。肺には結節以外に細気管支に拡張、壁肥厚、周囲にリンパ球浸潤、管腔内に細胞や粘膜片の充満などの変化が認められます。
一般に症状はなく、臨床的に重要性はない。
発作的な咳、くしゃみをみることが知られています。しかし、ウイルス、細菌の合併感染によって状態を悪化させる原因となるであろうことは否定できない。
ハイダニ症の予防
イヌハイダニの感染は鼻腔からはい出るダニに接触して感染すると考えられるから、寄生犬との接触を避けるとよい。
サルハイダニは出生時に新生子サルを親ザルから隔離して飼育すれば、子ザルへのダニ感染が防げるので、このようにして非寄生コロニーを作るのがよい。

