ピン副子(pin splint)による外固定法
これは、骨折が生じた骨を、手術を行って固定する方法のうち、皮膚の上から、骨片にピンを刺入し、それらのピンを皮膚外で連結して、骨片を固定する方法で、その装置としては、Kirschner副子(Kirschner splint)がよく知られています。
Kirschner副子は、近位および遠位の骨片に、それぞれ2本のピンを、骨の長軸に対して約40°の角度で刺入して、術側と対側の皮質を貫通させ、4本のピンを術側の皮膚の外で、接ぎ手と連結棒で結合して骨片を固定します。
ピンを連結する方法には、2、3の考案があります。骨片の整復は非開放性または開放性に行われます。軟部組織の著しい損傷をさけるため、局所解剖に精通する必要があります。
また厳重な無菌操作が要求されますが、一般に感染がおこる可能性が少なくないといわれています。
ピン副子による外固定法は、関節運動を妨げないため、患部の血液循環が維持され、筋の萎縮や関節の硬直を避けることができます。
主に犬の長骨の骨折に適用されますが、下顎骨の骨折にも用いられます。患部からはなれた個所にピンを刺入するので、複雑骨折に好んで用いられます。
また遅延治癒骨折および偽関節の治療にも適します。
Kirschner副子による固定は、ピンを骨の対側の皮質まで貫通させたあと、術側の皮膚外で連結するので、ハーフピン副子法(half pin splintage)と呼ばれます。
これに対して、長いKirschnerワイヤーまたはThomson球付きワイヤー(Thomson beaded wire)を対側の皮膚まで貫通させて、術側および対側の皮膚外で、それぞれピンを連結するフルピン副子法(full pin splintage)があり、ギプス包帯またはThomas副子とあわせて、長骨、下顎骨などの骨折の際に応用されることがあります。

