骨の炎症について
骨の感染は骨炎、骨膜炎、骨髄炎をひきおこしますが、炎症は骨膜、ハーヴァース管、フォルクマン管、骨髄腔の血管に富む結合組織に限定して発生します。
これらの血管は互いに密に吻合しているため、炎症が骨、骨膜、骨髄のいずれかに限局されることはきわめてまれで、病機の進展に伴って、これらの組織の炎症は合併して存在するのがふつうです。
病機が骨膜から発したか、あるいは骨髄から始まったかによって骨骨膜炎osteoperiostitis(骨膜と骨が冒される)および骨髄炎osteomyelitis(主に骨髄が冒される)に分けられます。
骨質の変化は結合織の病変に続いて二次的におこるもので、骨には変性、吸収および再生がみられます。吸収と再生は均衡しないため、前者が優勢な時は骨は粗鬆化し、後者が多い時は硬化します。
細菌毒素および局所貧血ischemiaが原因となって骨の壊死がおこり、この壊死および滲出にもとづく局所の圧の上昇によって、破骨細胞の活動が活発になり、骨質の吸収が惹起される。
炎症が慢性で肉芽性の時は広汎な壊死はおこらず、変性した骨は破骨細胞によって除去されます。
もし炎症が急性で化膿性の時は、緻密骨質の壊死がおこるばかりでなく、壊死した部分は滲出物によって周囲の結合組織から隔離されて腐骨sequestrumとなります(壊死巣分離sequestration, demarcation)。
腐骨が新生の硬い骨質で包まれる時はこれを骨柩involucrumといいます。
骨の再生は、骨炎における反応の欠くことのできない部分です。しかし感染細菌の毒性が非常に強い場合には、まったく再生がおこらないことさえあります。
毒性がそれほど強くないが感染が進行性の時には、生き残っている骨膜と骨内膜によって骨質が新生されますが、これが次には進行性の炎症によって破壊され、この現象が循環します。
炎症の進行が遅く刺激が温和な時は、未熟の海綿骨質は成熟した骨質によって置換され、ついには成熟した層板構造を有する骨が堆積します。

