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唾液腺の疾患 ~ 耳下腺部膿瘍・唾液嚢腫・唾石

唾液腺の疾患 ~ 耳下腺部膿瘍・唾液嚢腫・唾石 唾液腺の疾患

 
 

耳下腺部膿瘍(subparotid abscess)

 
 
馬の腺疫、牛の結核などに併発する耳下腺およびその近傍のリンパ節(耳下腺リンパ節、咽頭後リンパ節など)の化膿性炎症です。犬にもまれにみられます。
 
 
症状:耳下腺の深部に疼痛、散漫性の腫脹をみ、時に全身の発熱をみることがある。咽喉頭炎の症状を発し、咳嗽、食欲不振、嚥下困難、または眼瞼の浮腫、眼球突出、軟口蓋部の腫脹などにもみられることがある。
 
 
膿瘍は自然に自潰することが多い。
 
 
治療法:膿瘍は切開するのが最良です。この際、患部は深在し、血管神経が多いので、特に注意深く行う必要がある。姑息的には、皮膚刺激薬塗布、罨法あるいは抗生物質投与などを行うことがある。
 
 

唾液嚢腫(salivary cysts)

 
 
唾液腺の導管または、その分枝の破裂によって、唾液が組織の粗しょうな部分に流出して貯留したもので、初期に口内にできたものを一般にガマ腫ranulaと呼び、付近の組織内(頸部)に生じたものを唾液嚢腫と呼ぶことが多い。
 
 
犬および馬、牛などにみられる。
 
 
症状:馬の場合は、唾液腺付近の組織に軟らかい波動性の腫脹をみとめ、針穿刺によって粘稠濃厚な唾液が漏出する。犬の場合は舌下腺、下顎腺の閉塞に由来したものが多く、頸の腹側皮下に腫脹をみとめる。
 
 
比較的慢性に経過するものが多いとされる。膿瘍との鑑別に注意する。
 
 
治療法:嚢腫の原因となる唾液を分泌している腺の全摘出がのぞましい。十分慎重かつ綿密な手術が要求される。その他、切開排液、口内への人工瘻管の作成、嚢腫の閉鎖法なども種々な術式が考案されている。
 
 

唾石(salivary calculi, sialoliths)

 
 
唾石は耳下腺管内に形成されることが多く、大きさはさまざまで、1個ないし数個のことがある。馬に発生することが多く、その他の家畜ではまれにみられる。表面はなめらかで、成分は主にCaCO₃です。
 
 
原因:唾管内の異物(上皮の壊死組織、食物残渣、草の葉先など)が中心となって唾石が形成される。
 
 
症状:唾管の経路に堅い疼痛のある腫脹が存在する。視診では発見困難ですが、触診によって容易に異常を見つけることができる。
 
 
かなり大きな唾石があっても、特に臨床的に異常を示さないことがある。犬ではX線検査が有効です。
 
 
治療法:石が唾管の末端に近い時は、管口を拡張することによって、口の中へ押し出すことができる場合がある。これが成功しない時には、石の存在する部を切皮し、切開して石を摘出する。一時的治癒をうるように努力する。
 
 
さもない時は、唾管瘻が形成されて治癒がはなはだ困難になる。

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