皮膚形成外科は、再建外科reconstructive surgeryの一環をなすもので、その範囲、定義もはなはだ複雑多岐ですが、一般に、外傷、熱傷、手術などによる比較的広範囲な組織の欠損、拘縮、醜形などの後天的変形の修復および先天的奇形の治療をはかるものです。
もともと皮膚移植などを中心とした外科に属し、欠損の修復、傷の良好な仕上げを目標としている。
縫縮法
形成外科手術における一般の創面閉鎖法をいい、単純縫縮法simple excisionをはじめとして、辺縁皮弁法contiguous flap、Z形成術Z-plasty、W形成術W-plasty、動脈皮弁法artery flap、その他多くの方法、術式が考察されています。
いずれも創縁皮下を十分剥離して移動性を与え、創縁を相互に引き寄せて縫合を行うもので、皮膚欠損が比較的小さくかつ皮膚移動性が大きい時に応用できる。
移動性が小さい時には、創縁に平行に減張切開を加えて縫合するか、時には特殊な形の切開(V-Y整形、Y-V整形など)を行うこともある。さらに隣接の皮弁を滑動して用いるのが、辺縁皮弁法と呼ぶもので、有茎皮弁の一種でもある。
これらの術式に共通する基本的手技の要点を列挙すると‥
(b)皮下剥離undermining:それぞれの部位によって、脂肪組織の間、筋膜の間、腱膜の上などをえらぶ。
(c)止血:結紮、圧迫、捻転その他の方法によって十分に行う
(d)縫合法:特に綿密に、細い瘢痕で治療するように細心の注意を払う。
(e)圧迫固定:抗生物質、ワゼリン軟膏、ガーゼ、弾性包帯、ギプス、副木など慎重な圧迫固定をほどこすのが普通です。
(f)包帯交換dressing change:数日後に慎重に行う。
(g)抜糸:普通より早めに行う。
(h)経過観察:爾後の状態をないがしろにできない。以上の諸事項はいずれも手術の成否にきわめて重要なもので、実施上の細部に関しては、専門書について十分検討すべきです。
植皮術
単なる縫縮法では形成が不可能なほどの大きな皮膚欠損部に対しては、他部からの皮膚で被覆する方法、すなわち植皮を行う。現在では実験的なものを除き、ほとんどすべて自家植皮に限られる。
皮膚を恵皮部の母床から切り離して移植することで、普通、植皮片の厚さによって分けますが、①表皮と乳頭層までの薄片を移植する表皮移植法、Thiersch法などとも呼ばれるもの、②真皮網状層までの厚さの移植片を用いる中間層移植法split thickness graft、③皮下組織を除いた皮膚全層を移植するもので、全層移植法full thickness graft、Krause法などと呼ばれるものなどがあります。
実施に際してはまず、①植皮部の準備:十分清浄、整理し、止血を十分にしておく。②皮弁の採取:通常各種のデルマトームdermatomeを用い、前述の各皮弁をとる。
③皮弁の縫着:慎重に移動しないように中縫いなどを行う。④圧迫・固定、⑤後療法の順で行う。これらも実施の細部に関しては専門書について手落ちのないように十分に注意する。
通常家畜では適宜の大きさ(1cm x 1cm)の中間層皮弁をとり、島状移植pinch graftの要領で行うことが多い。
一部を残して弁状に切り離して、のこされた部を通じて血流の供給を受けている皮膚および皮下織すなわち皮弁を用いるものです。一般に傷害部が大で、組織欠損も大きく、自然治癒の困難な潰瘍部分などの場合に応用することが多い。
辺縁皮弁の要領を応用したり、遠隔の部位への皮弁の移動を目的とする場合は、皮膚筒tubed pedicleをつくり、二次、三次と移動するものがある。
