拡張条虫はめん羊、山羊に、ベネデン条虫は牛に主として寄生が見られます。Moniezia属条虫の寄生では、成獣には明瞭な症状をみないが、幼獣、特に6ヶ月齢以下のものには被害が大きい。
拡張条虫の寄生は1・2歳齢に集中しており、それ以上の年齢には少ないといわれています。Moniezia属条虫は小腸に寄生しており、一般に寄生数は少ないが、虫体が大きいので少数寄生でも病害があります。
一方、ほとんど無症状に経過する場合もあり、発病には栄養、気候などの諸条件の関与も考慮する必要があります。Moniezia属条虫の病原性は十分に明らかではありませんが、一般に牛では症状が明らかでなく、幼齢のめん羊、山羊に病害が強く現れます。
虫体は頭節で腸粘膜に吸着しており、粘膜に上皮剥離、潰瘍が発生します。
また虫体は成長が速やかで、多数の片節を生じ、数メートルの大形ストロビラ(片節連体)を形成する点からみて、宿主から多量の栄養分を奪い、大量の排泄物や毒性物質が宿主に吸収されて障害を与えます。
また、虫体は集塊となり消化管の機械的な狭窄、閉塞の原因にもなります。
幼獣の重度寄生では元気なく倦怠の状態が現れ、被毛は粗く、光沢なく、発育不良、下痢、血便、便秘、腹部膨満、ときに疝痛、痙攣また重度な貧血や浮腫を生じます。
めん羊の重症例では急性毒血症から死亡もみられます。片節の排出は感染時期の関係から時期的にほぼ一定し、一般に9月下旬から糞便中にみられ、10~12月がもっとも激しく、翌年の2~3月にまでみられます。
ストロビラが肛門から垂下する状態もしばしばみられます。きわめてまれに成獣でも運動麻痺、その他の神経症状を来すことがあります。
Thysanosoma actinoidesの寄生では、虫体は胆管や膵管内にみられ、これらの管壁に繊維症や肥厚が生じて、胆汁、膵液の排出が妨げられて消化障害から栄養不良となり、他の悪条件が加わる場合はめん羊で死をきたすことがあります。
Avitellina属の病害はMoniezia属と同様に著しくはなく、かつMoniezia属に比べて成牛におおい。
Stilesia hepaticaの寄生は宿主の年齢を問わないが、無症状で経過します。多数寄生の場合は、胆管は虫体で満たされ、嚢状に拡張し、管壁の肥厚がみられ、軽度の肝硬変を伴いますが、黄疸その他の症状はみられません。
反芻獣の条虫症(症状) ~ 幼獣、特に6ヶ月齢以下のものには被害が大きい
条虫類
