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前気門亜目(Trombidiformes) ~ ツメダニ(Cheyletid mites)

5.0
ツメダニ 家畜害虫

 
 
前気門亜目は体長が0.5~1.0mmくらいの大きさで、軟らかいダニです。
 
 
一般に胴体部の前端、つまり顎体部の基部近くに1対の気門をもっています。また、触肢は強大で親指状に変形しているものがおおい。
 
 
これに属するダニには多数の種類があり、農業害虫としてはハダニ類やフシダニ類があります。また、人にとって風土病となっているツツガムシ病のリケッチアを媒介するツツガムシも前気門類に属しています。
 
 
一方、家畜害虫としてはツメダニやニキビダニ(毛包虫)があります。
 
 

ツメダニ

 
 
欧米では犬、猫が、ツメダニの寄生によって皮膚炎を起こすという報告がかなりありますが、本邦では少ない。たまたま、石原 肇(1972)は、犬がツメダニCheletiella yasuguriの寄生をうけて皮膚炎を起こしたと報告しています。
 
 
家畜、とくに犬、猫に寄生するツメダニの種類と宿主との関係を示すと下記のようです。
 
 

〇ウサギツメダニ(Cheyletiella parasitivorax(MEGNIN,1878))
宿主:兎、猫、犬

〇C.yasuguri SMILEY,1965
宿主:犬

〇C.blakei SMILEY,1970
宿主:猫

〇C.furmani SMILEY,1970
宿主:兎

 
 

ツメダニの形態

 
 
ツメダニの大きさは雄0.4 x 0.3mm、雌0.6 x 0.4mmくらいで乳白色をしています。
 
 
触肢は短くて強大で、先端に爪をもつのが特徴です。また、顎体基部の背面には周気管があり、前胴体部には雄、雌とも1枚の背板があって羽毛状または単純毛をもっています。
 
 
後胴体部には雄1枚の背板がありますが、羽毛状または単純毛は雄、雌ともにあります。
 
 
脚は割合短く、第1脚の膝部にハート状の感覚器官があります。また、各脚には一定数の剛毛があり、脚の末節(跗節)にはシダ状の爪間体があります。
 
 
脚基部の腹面には一定数の単純毛があります。
 
 

ツメダニの発育ならびに害

 
 
ツメダニは、卵 → 幼ダニ → 第1若ダニ → 第2若ダニ → 成ダニという段階を経て発育します。
 
 
ツメダニは宿主の皮膚上に寄生して、宿主に皮膚炎を起こさせます。ツメダニによる犬の皮膚炎は長毛の小型犬におおい。
 
 
また皮膚炎の発生部位は、耳翼背面、仙尾、会陰、腹部、まれに全身におよぶことがあります。これらの部位は白色綿状または帯黄白色の鱗屑を多発します。
 
 
また会陰や仙尾では亀裂をみることもあります。
 
 
ウサギツメダニは普通兎に寄生しますが、犬や猫に寄生することもあります。さらに、これらのペットにふれた人が皮膚炎を起こすこともあります。
 
 
猫では柔らかい毛の内部や鼻の周辺にこのダニの寄生が多い。
 
 
犬や猫のようなペットの飼育がますます盛んになれば、今まであまり問題とならなかったツメダニにも留意する必要があるでしょう。
 
 

ツメダニの駆除

 
 
ツメダニは皮膚上に寄生しているので、粉剤の型の殺虫剤を寄生部位によくすりこんで駆除します。
 
 
しかし、猫は有機燐系の殺虫剤に感受性が高いので、このような殺虫剤を使用するときは、猫を猫袋に入れて体をなめないように注意する必要があります。

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