骨端の外傷性異常(traumatic disorders of the epiphysis)
骨端の損傷によっておこる疾患で、その主なものに骨端(線)の骨折-分離と骨端の裂離骨折があります。
骨端(線)の骨折-分離(fracture-separation of the epiphysis)
本症は幼犬に多くみられ、時に幼猫にも発生します。
骨端剥離症(分離症または滑り症ともいう)の形で、大腿骨頭の骨端や大腿骨遠位骨端および橈骨遠位骨端などに好発します。
大腿骨の骨端のそれは、局所の損傷によりあらゆる犬種にみられますが、橈骨遠位骨端は超小型犬または小型犬に多発する。
症状と診断
いずれの場合も、患肢をやや曲げて負重しない状態を呈しています。
患部の触診によって疼痛を現し、捻髪音を聴取できることがあります。損傷を受けた骨端は一般に転位し、血管や神経が障害され、未成熟または部分的骨端線閉鎖を招き、患肢が短縮する場合もあります。
X線検査は、前後望と側望位から行い、骨端の転位の状態やその他の局所の異常を良く調べる。
治療法
骨端の骨折を治療する場合、早期に発見して治療すれば効果が期待できます。
また小型犬や猫の予後は、一般に良好ですが、大型犬や二次的変化がおこり、高度の変形を招いたものではあまりよろしくない。
局所的処置としては、次の方法があります。
大腿骨遠位骨端および大腿骨頭の骨端骨折では、膝を曲げて整復状態におき、8字包帯を巻いて患肢を固定する。
3日ごとに調べて、3週おきに巻き替え、治癒には約8週間を必要とします。
手術療法としては、いずれの場合も骨端骨折部を露出したのち、前者ではピンを滑車溝から大腿骨骨幹に刺入する方法や、Rushピン(2本刺入)または骨ネジで固定する方法があります。
後者では、Kirschnerワイヤー、骨ネジなどによる固定が行われます。
骨端の裂離骨折(avulsion fracture of the epiphysis)
骨端またはその付近の突起、骨稜および骨粗面において、腱や靭帯の激伸によっておこる裂離骨折をいい、幼犬に多く、稀れに幼駒においてみられます。
犬の裂離骨折(avulsion fracture in the dog)
犬では肘頭、大転子、踵骨隆起および脛骨粗面に好発します。
症状と診断
いずれも裂離骨折により、局所に急激な疼痛が現れ、患肢を挙上し、跛行を呈します。
患部の指圧によって、疼痛を訴え、なかには腫脹を認めるものもあります。X線検査では、つねに健康肢と良く比較して診断する必要があります。
治療法
いずれの場合も、離断している部位を外科的に整復し、骨ネジやピンおよびワイヤーを用いて固定します。

