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歯の疾患 ~ 歯瘻・歯折・歯肉炎・歯石

歯の疾患 ~ 歯瘻・歯折・歯肉炎・歯石 歯の疾患

 
 

歯瘻(dental fistula)

 
 
歯牙疾患に起因し、歯根より外部へ通ずる瘻管をいう。
 
 
原因:①馬では、歯槽骨膜炎から歯髄炎、膿瘍を発し、皮膚または顎洞、鼻腔内へ開孔する。特に幼駒、若齢馬の下顎においては、第一、二、三前臼歯は歯根が長く、下顎骨縁近くに達するため、外傷によって歯槽骨膜炎から歯瘻を発しやすい。
 
 
②犬では一側の顔面で眼の下にしばしば開孔する。
 
 
症状:馬の場合は、下顎の皮膚に小孔を生じ、つねに排膿し、膿が被毛に固着する。容易に全治せず、瘻孔の探診によって歯根に触れる。
 
 
顎洞または鼻腔に開孔すると、常時悪臭ある鼻漏を出す。咀嚼障害はあまり著しくないか、またはほとんどみとめられない。犬においては、上顎第四前臼歯、第一後臼歯に発することが多く、顔面皮膚上に開孔して排膿し、軽打すると痛みを訴えることがある。
 
 
治療法:馬で歯槽骨膜炎に基因するものは、抜歯しなければ根治困難です。外傷性の時はかならずしも抜歯せず、瘻管を拡大して洗滌すればよい。
 
 
犬の場合は、瘻管を洗滌し、排膿ガーゼを挿入すると比較的簡単に治癒することがある。
 
 

歯折(fracture of the teeth)

 
 
原因:先天性の歯の構造不良から発し、後天的には外傷、外来の暴力、飼料中の堅い異物などによって発し、また齲歯、歯肉炎などに継発します。
 
 
馬では第三、四臼歯、犬では犬歯に発することが多い。
 
 
症状:急激な咀嚼障害をきたし、欠損部に飼料などが嵌入して不快な口臭を発する。歯冠の欠損から歯根に達する縦裂まで、さまざまな程度がある。
 
 
斜歯、歯槽骨膜炎、歯髄炎などを継発することがある。
 
 
治療法:欠損が歯根に達したものは抜歯しなければならない。
 
 

歯肉炎(gingivitis)

 
 
歯肉の炎症で、歯肉の損傷、化膿、ビタミン欠乏、慢性消耗性疾患、伝染病、重金属中毒、歯石、裂歯などから発する。またこれから歯槽骨膜炎になることもある。
 
 
歯肉は発赤、腫脹し、水疱、潰瘍を形成し、不潔灰緑色の被膜を被る。
 
 
オキシドール、ルゴールなどで局所消毒を行い、軟飼料を給する。
 
 

歯石(dental calculus or tartar, odontolithiasis)

 
 
馬、牛、羊、犬および猫いずれにもしばしばみられる。臼歯の頬側面、犬歯の舌側面にみることが多い。種々なバクテリア、血清滲出物、食物残滓および有機・無機の物質からできるとされる。
 
 
CaCO₃およびCa₃(PO₄)₂、MgCO₃などからなるといわれる。
 
 
いずれも、特に臨床症状を示すことはなく、歯肉縁に黄白色、黄緑色ないし灰緑色の固い沈着物が形成され、はじめは歯肉の上にみられますが、次第に歯肉の下に侵入して歯根と歯肉を分離するようになる。
 
 
したがって齲歯、歯肉炎、歯槽骨膜炎の原因となり、歯の脱落をきたす。
 
 
美味で消化しやすい飼料の給与を続けると発生しやすく、また慢性疾患で著しい栄養不良に陥ったものに多いという。歯石除去器scalerを用いて除去する。
 
 
ビスケットなどの食事をとった後に毎回歯の洗滌をすると良い(犬など)。近時超音波を利用して歯を清潔に保ち、歯石の防除に効果を挙げることができるともいわれる。

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