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歯の疾患 ~ 顎骨異常に基づく歯列の異常・摩耗異常に基づく歯列の異常

歯の疾患 ~ 顎骨異常に基づく歯列の異常・摩耗異常に基づく歯列の異常 歯の疾患

 
 

顎骨異常に基づく歯列の異常(abnormalities arising from bone defects)

 
 
鯉口(下顎短小、カケス)brachygnathism, parrot mouth, carp mouth, overshot jaw:先天的に下顎が短いため、上顎の切歯列が下顎切歯列より前方に突出しており、下顎の切歯が上顎を損傷し、さらに上顎の第一前臼歯と下顎の第三後臼歯が過長になって障害を招く。犬ではダックスフンド、コリーなどにみられる。
 
 
いずれも軽度のものは矯正を試みるが、重度のものは予後が不良です。
 
 
カマス口(上顎短小、カマス)prognathism, undershot jaw:先天的に上顎が短いために、下顎の切歯列が上顎の切歯列よりも前方に突出しているもので、下顎の第一前臼歯および上顎の第三後臼歯が過長になる。
 
 
犬ではボクサー、ブルドッグ、ペキニーズなどにみられ、程度の軽いものでは、下顎の乳歯を全部抜歯して矯正をはかることもあります。
 
 
交叉歯cross-teeth:先天的な顎骨の捻転、あるいは高度の鋏状歯、顎骨骨折に起因する。
 
 

摩耗異常に基づく歯列の異常(abnormalities resulting from irregular wear)

 
 
斜歯sharp or angular mouth or sharp enamel points:馬の後臼歯、ことに第一後臼歯に多発する摩耗の異常です。
 
 
上顎臼歯の外縁あるいは下顎臼歯の内縁が鋭く突出したものをいう。
 
 
上下の臼歯列の咀嚼面は内高外低に傾斜している(内外縁の高さの差は5~9mm)。また上顎臼歯列は下顎臼歯列よりも幅が広く、静止位では上顎臼歯咀嚼面の内1/3が下顎臼歯咀嚼面の外1/2と相接している。
 
 
これらの歯列の解剖的構成が斜歯発生の大きな素因を形成しており、咀嚼時の水平運動が不十分な時は容易に斜歯が発生する。
 
 
上下顎の鋭い突出部が頬または舌の粘膜を損傷するため咀嚼が障害され、咀嚼の中絶、食塊の残留、流涎、栄養低下が認められる。
 
 
歯鉋、歯鑢を用いて尖鋭部を削る。
 
 
鋏状歯(剪状歯)shear mouth:臼歯の咀嚼面の傾斜が著しく急になったもので、重度のものは上下の歯列が咬合せずに食い違う。
 
 
摩耗異常によって老齢馬にしばしば発生し、また上下顎の幅の差が過度なことが素因をなして、臼歯列全体が鋏状歯を呈する。その他1側の口内炎、歯牙疾患、下顎骨折、顎関節炎の際に歯列全体がまたは個別的に鋏状歯となることがあります。
 
 
舌および頬粘膜の重度の損傷がおこる。歯の切断および鑢整が行われるが、効果はあまり期待できない。
 
 
波状歯wave mouth:老齢馬の臼歯におこる。歯の資質不同に起因し、側望すると臼歯列の咀嚼面が上下対向して波状を呈する。第一後臼歯の部分に著しい。
 
 
軽度の場合は別に支障がないが、重症では歯冠が磨滅して歯肉が損傷をうけ、歯槽骨膜炎、歯肉炎を発することがある。
 
 
階状歯step mouth:臼歯列に発する。個々の歯の高さが不同になったもので、歯の硬さが不同なため摩耗に差が生じ、齲歯、歯槽骨膜炎あるいは抜歯の結果としておこる。
 
 
短小になった歯の対側の臼歯は摩耗不全のために長くなる(過長歯projecting teeth, Exsupera-ntia dentium)。咀嚼困難のために栄養障害が著しい。突出した歯を切断し、以後定期的に治療をくりかえす。
 
 
滑歯smooth mouth:老齢馬の臼歯列にみられる。歯冠の侵食またはエナメル質・セメント質・象牙質の層状構造の欠如によって咀嚼面が平滑になり、穀粒の破砕が不可能になる。軟飼料を給与する。
 
 
若い馬を鑢整する時に誤って過度に行うと、滑歯になることがあります。

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