猫の皮膚好酸球性肉芽腫(cutaneous eosinophilic granuloma in cats)
猫の腹部、臀部、後軀、趾間などいろいろな部位に発する慢性の皮膚疾患で、初期は円形の脱毛から激しい皮膚炎を呈し、次いで皮膚の肥厚をきたし、続いて局所のリンパ節の腫脹、流血中の好酸球増多症が特徴です。
同時に口内の炎症、潰瘍、肉芽腫などが認められれば、本症を疑うことが出来る。本症は患部を舐めることを止めさせれば、特に悪性というわけでもない。
治療として、局所の種々の刺激を避けて安静にし、TSA(3%タンニン酸、3%サリチル酸、70%アルコール)を局所に適用する。コルチコステロイドの投与も効果があるとされている。
四肢端の瘙痒性肉芽腫(acropruritic granuloma)
俗に嘗舐肉芽腫とも呼ばれる犬の慢性瘙痒性皮膚炎で、原因は明らかではない。退屈している犬がいつも、手近の前肢などを舐めるために、該部の皮膚が脱毛、肉芽が露出し、ついで肥厚、潰瘍となり、感染を惹起する。
慢性的に病機が進行し、自然治癒の傾向が乏しい。対策としては、原因を防止し、コルチコステロイドの投与、照射療法、外科的切除、コプラ毒注射などが知られている。
皮膚の腫瘍
小動物の腫瘍発生例では、半数近くが皮膚および皮下組織の腫瘍であるといわれる。一般に家畜では、線維腫fibroma、脂肪腫lipoma、腺腫adenoma、扁平上皮癌squamous cell carcinoma、基底細胞癌basal cell carcinoma、肉腫sarcoma、肥満細胞腫mast cell tumor、悪性黒色腫malignant melanomaなどの発生が知られています。
また類似の病変として類上皮嚢腫epidermoid cystがある。
家畜の場合、当初は治療に抵抗する慢性の湿疹として治療されることが多く、後に形態鏡検、生検などで腫瘍が疑われる。一般に良性腫瘍はその発育も数か月というように緩徐で、転移も少ないが、悪性のものとなると、腫瘍の発育が速く、全身への影響が顕著となることが多い。
また体表の皮膚の腫瘍の場合は、その近接部はもちろん、とくに、胸部、腹部など内部のX線検査をゆるがせにすることはできない。さらに皮膚では、非腫瘍性の類似病変がはなはだ多く、鑑別診断に十分注意しなければなりません。
すなわち、真菌性のブラストマイコージスblastomycosis、ミクロスポーラムMicro sporumその他による肉芽腫様病変、犬の四肢末端の瘙痒性肉芽腫(舐性肉芽腫)、猫の好酸球性肉芽腫、牛の趾間増殖性皮炎、蹄皮炎、馬の蹄癌などに留意する。
一般に、つとめて早期に発見するとともに、外科手術的に適正な摘出処置を行う。比較的悪性のものでも、早期に完全に摘出する場合は、家畜では経済的にもきわめて効果的な成果を期待できる。
その他、特殊化学薬品、凍結手術cryosurgery、化学療法剤、ホルモン剤、およびX線療法などを併用または単独で応用することが肝要です。

