原因・病態メカニズム・最新治療・再発予防まで徹底解説
趾瘤症(バンブルフット)は、単なる「足裏のタコ」ではありません。
慢性化すると骨や関節にまで波及する進行性の感染性疾患です。
獣医学的には、Pododermatitis:趾蹠皮膚炎(しせきひふえん)に分類されますが、養鶏現場では「趾瘤症」という名称が一般的です。
🐓 かかりやすい鳥種・年齢
✔ニワトリ(特に大型・肉用系統)
✔アヒルなどの水禽類
✔年齢:全年齢
✔性別:どちらも発症(体重の重いオスで多い傾向)
※遺伝性ではありません。
🔬 病態メカニズム(なぜ悪化するのか?)
趾瘤症は以下の流れで進行します。
① 物理的ストレス
硬い地面
不適切な止まり木
肥満による圧迫
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② 皮膚バリア破綻
微細な亀裂や圧迫壊死が発生
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③ 細菌侵入
✔主な起因菌:
●黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
●大腸菌(Escherichia coli)
●シュードモナス属(Pseudomonas)
●酵母・真菌類
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④ 血流障害
足裏は血管が乏しく、いったん壊死が始まると自然排膿しにくい構造になっています。
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⑤ 慢性化・肉芽組織形成
黒色痂皮+ 線維化 → “芯があるように見える”状態へ
🧠 なぜ「掘り出す」治療が問題になるのか?
家庭ケアでよく行われる「コア除去(芯を掘る処置)」。
しかし――
⚠️ 足底には重要な腱・血管が密集
⚠️ 深部感染では既に骨まで波及していることも
⚠️ 不完全除去=再発率上昇
そのため近年は
保存療法+圧迫軽減+血流改善重視の方針が増えています。
🩺 バンブルフットの進行ステージ・重症度別・治療戦略
足裏の皮膚に限局した変化
✔変性型:本来のブツブツした皮膚が滑らかで薄くなる
✔増殖型:角質が厚くなり「魚の目」状・ひび割れが起こる
🟢 グレード1(表在性)
●床材改善
●体重管理
●保護パッド
●NSAIDs(例:メロキシカム)
👉 予後良好✨
🟡 グレード2(感染性)
細菌や真菌感染が関与、足や指の明らかな腫れ・炎症が見られます。
●抗菌軟膏
●包帯管理(24〜72時間交換)
●培養に基づく抗生剤
👉 治療期間:2〜6週間
🔴 グレード3(深部感染)
✔深部軟部組織や骨に波及
✔黒く硬いかさぶたを形成
✔強い痛み・跛行(びっこ)
✔関節液貯留や膿瘍形成
慢性化すると血流障害により治癒が困難になります。
●外科的デブリードマン
●レントゲン評価
●長期抗生剤
●血流改善管理
👉 数ヶ月単位
👉 骨髄炎併発例は予後不良
⚠️ 主な原因
✔ 足の外傷(切り傷・刺し傷・擦り傷)
✔ 湿った・不衛生な床材
✔ 止まり木のサイズ不適合・高すぎる設置
✔ 硬い地面との長時間接触
✔ 肥満・関節疾患
✔ ビタミンA欠乏
✔ 運動不足
外傷から細菌が侵入して発症するケースが非常に多いです。
📊 再発率が高い理由
✔ 根本原因(肥満・環境)未改善
✔ 片足負傷後、健側に負荷集中
✔ 慢性炎症による血管障害
特に大型種は体重管理が最重要課題です。
🧪 診断方法
●視診・触診
●CBC(炎症所見)
●血液生化学検査(慢性例ではアミロイドーシス確認)
●細胞診・培養検査
●生検
●レントゲン等画像診断
●PCR検査
💊 治療法(重症度別)
🟢 軽度の場合
●飼育環境の改善✨
●保護パッド+包帯
●消炎鎮痛薬(例:メロキシカム)
●ビタミンA補充(欠乏時のみ)
これだけで改善することもあります。
🟡〜🔴 中等度~重度
✔ 外科的デブリードマン(壊死組織除去)
✔ 湿潤→乾燥包帯療法
✔ 抗菌軟膏
✔ 培養結果に基づく抗生物質
✔ 圧迫を避けるドーナツ型パッド
包帯は24〜72時間ごとに交換が必要です🩹
常に清潔・乾燥を保ちましょう。

🏃♀️ 回復を促すポイント
✔適度な運動で血流促進
✔健康的な体重管理
✔バランスの取れた飼料
✔足裏への圧迫軽減
🧴 実際の家庭ケア例(体験談)
1年齢のニワトリが2017年に発症した際のケア例:
🛁 初期(〜7日目)
●48時間ごとにエプソムソルト温浴(10〜20分)
●やさしく歯ブラシで洗浄
●消毒スプレー
●ガーゼ+包帯固定
※PRID(イクタモール)は現在は推奨されていません⚠️(皮膚刺激性あり)
🧼 7日目以降
●クロルヘキシジン温浴
●ヨード消毒
●バシトラシン亜鉛軟膏塗布(ドルマイコーチ軟膏)
●エプソム塩湿布
●ガーゼ+包帯
外科的に掘り出さず、自然脱落を待つ方法でも完治例あり✨
💊 現在推奨される外用薬
銀スルファジアジンクリーム(処方薬)
※ゲーベンクリーム1%
OTCならバシトラシン亜鉛軟膏
⏳ 治療期間と再発
治療期間:数週間〜数ヶ月
再発:数ヶ月〜数年後に起こることも
改善していても突然悪化するケースがあるため、定期的な再診が重要です。
⚠️ 合併症
●関節変性
●全身性アミロイドーシス
●敗血症
●肝膿瘍
●心内膜炎
重度で骨・関節感染がある場合、予後は不良です。
🔮 予後
重症度 予後
●軽度 良好〜やや良好
●重度 慎重(ガード)
骨髄炎や敗血症がある場合は、安楽死の検討が必要なケースもあります。
⚠️ 全身疾患との関連
慢性趾瘤症では:
✔関節炎
✔骨髄炎
✔敗血症
✔全身性アミロイドーシス
✔肝膿瘍
✔心内膜炎
まで波及する可能性があります。
足の病気=局所疾患と軽視してはいけません。
🛡 再発予防
✔ 止まり木は丸すぎない・角ばりすぎない
✔ 乾燥した深敷き床材
✔ 体重管理
✔ 月1回の足裏チェック
✔ ビタミンA不足を防ぐ
🐔 まとめ
趾瘤症は、「早期発見・早期環境改善」が最大の予防策です。
✔ 足裏チェックを習慣に
✔ 床材は常に乾燥
✔ 体重管理
✔ 適切な止まり木
日々の小さな管理が、大きなトラブルを防ぎます✨

