
●白色レグホーン(White Leghorn)
白色レグホーンは、アメリカで改良が加えられた種類で、採卵用としては最高のものです。1年に365卵を産むものもあり、現在では各国とも飼っています。
この品種にも色々な系統があって、その作出者の名前をつけて、アトキンソン系、トムソン系などと呼んでいます。
このニワトリは、卵をとる目的のために改良されたので、肉の量が少ないという欠点があり、また、身体が軽いので騒ぎやすく神経質なところがあって、飼育管理が悪いとすぐ卵を産まなくなったり、病気に罹りやすくなったりします。
白色レグホーンの詳細
本邦では俗に【白レグ】と言われています。これはイタリア原産の卵用種ですが、主として、アメリカおよびイギリスで改良されました。
本邦にも明治20年(1887)以来、たびたび輸入され、しかも本邦で産卵能力は大いに改良されました。現在、本邦のニワトリの46.6%を占めています。
また本種は、本邦では、兼用種との一代雑種を作るのに用いられています。このうち、もっとも多いのは、本種と黄斑プリマスロックとの一代雑種で、ロックホーンと呼ばれているものです。
白レグを雄にしたものを正交配、雌にしたものを逆交配といいますが、一般に正交配の方が喜ばれます。これは雑種強勢(Heterosis)の発現により、強健で初産が早く、しかも多産で、1年間の産卵数は平均256個です。
近年、ケージ養鶏が盛んになってきたので、この強健性、耐久力が賞賛されています。
羽色は大体白、ときに黒い刺毛ができます。また、白レグとロード・アイラインド・レッドとの交雑はロードホーン。ニューハンプシャーとの雑種はハンプホーンと言われています。
いずれも白レグを雄とした正交配が喜ばれます。
また、白レグと名古屋種との雑種を、名白一代雑種といっています。一般にこのような一代雑種を作る場合、産卵能力が白レグとあまり変わらない相手の場合は、雑種強勢もあまり強く認められず、正逆交配間の差もほとんどありません。
しかし、産卵能力が白レグより明らかに劣る場合には、白レグを雄にした正交配の方が産卵数がすぐれています。これは産卵強度を支配する遺伝子のいくつかが、ニワトリの性染色体上にあることを示すものでしょう。
本邦でこのような白レグの一代雑種のニワトリの飼養羽数は全体の42.5%を占めています。
すなわち、現在白レグ関係のニワトリが全体の89.1%を占めていることになります。
外観
単冠、白色羽装、皮膚及び脛の色は黄色、速羽性、体格は比較的小格、初産体重1.7kg、雄の成体重は2.0~2.2kgです。
能力
産卵能力大で、よくうむ系統では初年度に250~280個をうみます。また1年に365個産卵のものもあります。
1年検定修了鶏の平均、285個、ヘンハウス産卵平均(1群の総産卵数を、初産開始時羽数で割った値)で246個に達しています。
卵殻は白色、卵重は日本では54~57g、アメリカでは、57gを標準としています。
就巣性は全くみられない。また、産卵に重点をおいて改良されたので、発育は遅い。性成熟は早く、孵化後150~160日で初産をうみます。
分布
世界各地に分布し、本邦における飼養状況も前述のごとく、大半は本種です。
最近、アメリカから輸入されているニワトリは、その系統作成の会社名でよばれていますが、それはほとんどすべて白レグの系統間、四元交配種か、白レグと他の兼用種との間の交雑種から作出された系統間の四元雑種かで、いずれも白レグ関係のものです。
これらのうち、ハイライン(Hy-Line)、デカルブ(Dekalb)、ハイスドルフ(Heisdorft Nelson)、キンバー(Kimber)などは有名です。

●黄斑プリマスロック(Barred Plymouth Rock)
黄斑プリマスロックは、アメリカで作り出された品種で、体格も大きく、卵もハクショクレグホンに劣らず産むので卵肉兼用種として多く飼われています。
肉は脂肪分に富んでいて旨く、卵も300個以上も産むので、わが国でも古くから飼われています。ニワトリは、なかに性質の荒いものがあって、雄は人間に向かって来るものもいます。この鶏は身体が丈夫で粗食に耐えます。
黄斑プリマスロックの詳細
本邦では単にロックともいいます。アメリカで、ドミニーク種を中心にして、ブラマ、コーチンなどの東洋種を交配して作られた卵肉兼用種です。
日本に輸入されて、とくに産卵性に重点をおいて改良されました。
外観
羽色は白に黒の黄斑があります。皮膚と脛の色は黄色、羽性は遅羽性、体格は中型、初産体重は2.2kg、雄の成体重は3.2kg。
しかし成鶏の標準体重は、雌3.6kg、雄4.3kgです。
能力
本邦のものは、とくに産卵性に改良されていて、年間250個にもなる群れも多い。1年間の産卵平均252個、ヘンハウス産卵数平均235個くらい。
卵殻は赤色、卵重は55~56gで、就巣性はほとんどありません。アメリカのものは、産卵性がこれより低い。本邦のものは産卵性のために、肥育性は犠牲にされた感があり、発育は、白レグよりやや早い程度です。
初産日齢は、白レグよりやや遅く、190日ぐらいです。
分布
欧米の各国に分布。本邦にも、明治20年(1887)より輸入され、現在、純粋種では白レグについで多い。全体のニワトリの2.6%をしめています。

●ニュー・ハンプシャー種(New Hampshire)
ニューハンプシャー種は、イギリスのニューハンプシャー地方で作り出されたものなので、この名があります。これはイギリスの卵肉兼用種で、良く卵を産み、体格も大きいので肉量もあり、我が国では戦後になってかなり飼われるようになりました。
性質は大変に大人しく、静かなニワトリなので飼いやすく、粗食で丈夫なのが喜ばれます。日本の気候風土になれて良い成績をあげています。これに近い品種にロードアイランドレッドと呼ぶものがあります。
ニュー・ハンプシャー種の詳細
アメリカにおいて、ロード・アイランド・レッドから速羽性、多産性に重点をおいて改良された卵肉兼用種です。比較的新しい品種で、1935年に公認されました。
第二次大戦の戦後日本にも入り、本邦で多産性がさらに改良されて現在に至っています。
外観
単冠、赤褐色の羽装、皮膚は淡黄色、一般に速羽性ですが、遅羽のものもあります。体格中等、初産体重は2.6kg、雄の成体重は3.5kgです。
能力
一般に発育はかなり早い、産卵性は、発育が良くて産卵能力のやや劣るものと、発育は劣るが産卵能力のよいものとの2群に分かれていて一概にいえない。
前者は1年の間の生存鶏数平均155個、ヘンハウス産卵数、平均144個、後者は1年間の生存鶏平均233個、ヘンハウス産卵数、平均231個という報告があります。
産卵能力は、白色ロックより、ややすぐれていますが、黄斑プリマス・ロックよりやや劣ります。卵殻は赤色、卵重は60g、就巣性はほとんどなく、初産日齢はやや遅く、200日前後です。
分布
アメリカに多い。白色コーニッシュの雄を、本種の雌に交配すると、発育の速いブロイラー用鶏ができるので、これが、かつてのアメリカのブロイラーの生産の主流でした。
現在は、前述のごとく白色コーニッシュ雄と、白色ロック雌との一代雑種にとってかわりました。しかし、白色ロックは、産卵能力が劣るので、雛代が高くつき、それに日本では、またその数も少ないのでアメリカから輸入しないかぎりうまくいかない。
そこで、現在本邦では、産卵能力の高い本種の雄に白色コーニッシュの雄を交配する方法が、ブロイラー用としてとらえています。

●白色ロック(White Rock)
黄斑プリマス・ロックから、突然変異によって生じたもので、最近まで、白色プリマス・ロックと呼ばれていました。
第二次大戦後、アメリカで急に発達したブロイラー作成の雌系統として用いられるようになり、注目され、肥育能力の改善が行われました。
そのため、異種の交配も若干行われ、遺伝子型もいくらか変化したようです。劣性白(Ressesive white)の遺伝子をもっていますが、ある系統は、優性白(Dominant White)をもっています。
白色ロックの詳細
単冠で羽装は劣性白のものは純白、優性のものは、赤や黒の刺毛が多い。皮膚と脛の色は淡黄、速羽性、体格は大型で、特に雄は大きく4.5kgになります。
初産体重は2.8kg~2.9kgです。
能力
発育良好、産卵性は低い。劣性白のものは、生存鶏の1年間平均産卵数161個、ヘンハウス産卵数平均、148個、これにくらべ優性白のものは、発育はよりよいが産卵数は劣り、生存鶏の年間平均産卵数は134個、ヘンハウス産卵数平均110個です。
初産日令は、やや遅く190日、就巣性はほとんどありません。
分布
アメリカに多く、現在、ブロイラーの大半は、白色コーニッシュとこの白色ロックとの一代雑種が占めています。
本邦にも最近、ブロイラーが盛んになるにつれ、かなり多く輸入されました。この系統で、アバーエーカー(Abor Acres)が、最も有名です。

