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抗菌性薬物の共通的性格 ~ 抗菌性薬物の抗菌活性・抗菌スペクトル・動物体内での有効性スペクトル

抗菌性薬物の共通的性格 微生物感染症の予防治療薬

 
 
感染症の予防治療に用いられる薬物は本邦の動物用医薬品総売り上げの約70%を占めており、実用面では最も重要な薬効群になっています。
 
 
感染症の治療の為に動物に投与する薬物を化学療法薬(chemotherapeutics)という。狭義の化学療法薬は微生物感染症の治療薬を意味し、寄生虫感染症の治療薬を含めませんが、逆に狭義でも悪性腫瘍の治療薬は化学療法薬に含める。
 
 
腫瘍は異種の単細胞が体内に寄生して増殖する疾病であるとの考えによっている。
 
 

選択毒性

 
 
微生物感染症の化学療法薬は一般に抗菌性薬物(antimicrobials)と呼ばれ、微生物に対して毒性を示し、その増殖を抑制したり殺滅したりすることができる。
 
 
しかし宿主に投与する薬物でもあるから、宿主に対する毒性が低いことが望ましい。
 
 
即ち微生物に対する毒性に選択性の高いことが要求されてくる。
 
 

微生物を殺菌または静菌する薬物の選択性と用途

 
 

選択性:なし

●薬物
・ホルムアルデヒド
・エチレンオキシド

●抗菌濃度
・10⁻²~10⁻¹

●用途
・滅菌

●区分
・消毒薬

 

選択性:低い

●薬物
・アルコール類
・ハロゲン類
・フェノール類
・四級アンモニウム類

●抗菌濃度
・10⁻⁴~10⁻²

●用途
・消毒

●区分
・消毒薬

 

選択性:中程度

●薬物
・色素類(アクリノールなど)
・外用抗生物質(バシトラシン・ポリミキシン類)

●抗菌濃度
・10⁻⁶~10⁻⁴

●用途
・局所抗感染症

●区分
・抗菌性薬

 

選択性:高度

●薬物
・合成抗菌性薬(サルファ剤など)
・抗生物質(ペニシリンなど)

●抗菌濃度
・10⁻⁸~10⁻⁵

●用途
・化学療法薬

●区分
・抗菌性薬

 
 

抗菌性薬物の抗菌活性

 
 

MIC,MBC,subMIC

抗菌性薬物の抗菌力は、通常in vitroでどの程度の濃度から増殖抑制作用を現すかで表現します。この濃度を最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration, MIC)という。

MICが低い濃度(100㎍/ml以下)である事は抗菌性薬物である事の最低条件ですが、この値は薬物の種類によって、また菌種によって異なった値になる。

カナマイシンのような薬物はMICの数倍以上の濃度では菌を殺滅し、二次培養でも菌が発育しなくなる。この殺菌濃度の最低を最小殺菌濃度(minimum bactericidal concentration,MBC)と云います。

カナマイシンではMIC以下でもその1/8程度までの濃度では菌の発育が遅くなる。生体内ではこの濃度範囲でも有効である可能性があり、subMICと呼ばれています。

 

抗菌スペクトル

特定の抗菌性薬物が有効である微生物の菌種の範囲をその薬物の抗菌スペクトルまたは抗菌域(antimicrobial spectrum)という。

 

動物体内での有効性スペクトル

現在、抗菌性薬として実用化されている薬物はいずれも細菌が分裂する時点に働き、静止菌には作用しない。体内で細菌が分裂する部位は菌種によって異なるので、抗菌性薬の有効性も分裂部位に到達できるか否かによって異なる。

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