体内動態
ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)は消化管から速やかに吸収されるので、経口投与後1~2時間程度で利尿作用が発現する。
血液中では蛋白との結合率が高く、腎以外の組織には殆ど分布しない。
腎では近位尿細管から分泌されるが再吸収率が高いので排泄速度は中程度で、利尿作用は約6時間持続する。
薬理作用
チアジド系利尿薬は中程度の強さの利尿薬で、尿量を高め、尿中のNaCl排泄を増進する。
体内の酸塩基平衡には影響しない。尿中のK⁺濃度もある程度高まるが、これは遠位尿細管に入るNa⁺量が増加することによる二次的作用だと考えられている。
作用機序
近位尿細管の酸能動輸送系によって管腔内に出され、遠位曲尿細管でNa⁺・CI⁻共輸送系に結合して塩素イオンの能動吸収を抑制して利尿作用を現す。
奇妙なことにチアジド系利尿薬は尿崩症の治療薬としても用いられる。
下垂体性尿崩症だけでなく、腎性尿崩症にも有効です。尿崩症に対してチアジド系利尿薬を投与すると、近位尿細管における再吸収率を上昇させ、尿量が減少すると説明されている。
臨床作用
チアジド系利尿薬ではヒドロクロロチアジドが汎用される。
酸塩基平衡にはあまり影響しないし、酸塩基平衡の異常個体にも有効です。またNa過剰個体では高張性の尿を排泄させるので、NaCIの排泄を促進する必要のある場合には有利です。
チアジド系利尿薬の強度は中程度であるから、利尿過多になる危険性が少ないのが利点です。

