脳脊髄に存在する活性物質で、一部のニューロンの活性に特異的な影響を及ぼす物質は極めて多い。これらの物質はその存在形態や作用から次の4種類に分類される。
神経伝達物質(neurotransmitters):シナプスにおける興奮伝達を仲介する物質です
●伝達物質
・γ-アミノ酸(GABA)
●作動性ニューロン・特色
・脳の介在ニューロン
・他のアミノ酸より濃度が高い
●ニューロン、受容体の性格など
Bはβアラニンで興奮し、ピクロトキシンで拮抗される。
C1⁻チャンネル開放による過分極。
●伝達物質
・グリシン
●作動性ニューロン・特色
脊髄介在ニューロン。
GABAと共に中性アミノ酸で抑制性
●ニューロン、受容体の性格など
受容体はタウリンで興奮し、ストリキニーネで拮抗される。
C1⁻チャンネル開放による過分極
●伝達物質
・グルタミン酸
・アスパラギン酸
●作動性ニューロン・特色
脳脊髄介在ニューロン。
ともに酸性アミノ酸で興奮性
●ニューロン、受容体の性格など
NMDA(N-methy-D-aspartate),Kainateと呼ばれる。
ケタミンはNMDA拮抗性。
陽イオン流入による脱分極。
●伝達物質
・アセチルコリン
●作動性ニューロン・特色
脳脊髄全域に分布
脳内濃度は比較的低い
運動神経→Renshaw細胞
●ニューロン、受容体の性格など
ベタネコール作動性のM₂受容体は抑制性
いずれもアトロピンで拮抗される。
Renshaw細胞の受容体はNnタイプで興奮性。
●伝達物質
・ドパミン
●作動性ニューロン・特色
脳脊髄全域に分布。
アミンの内では脳内濃度、作動性ニューロン数が最も高い
●ニューロン、受容体の性格など
D₂はアポモルヒネで作動し、神経弛緩薬で拮抗される
●伝達物質
・ノルエピネフリン
●作動性ニューロン・特色
橋・脳幹から長軸索ニューロン
●ニューロン、受容体の性格など
α₁、β₁、β₂もあるが詳細は不明。
●伝達物質
・エピネフリン
●作動性ニューロン・特色
中脳・脳幹→間脳のニューロン
●ニューロン、受容体の性格など
●伝達物質
・セロトニン
●作動性ニューロン・特色
中脳・橋から全域へのニューロン
●ニューロン、受容体の性格など
受容体サブタイプは5HT₁~₃で、1型は抑制性。
●伝達物質
・ヒスタミン
●作動性ニューロン・特色
視床下部後部に分布するが濃度は低い。
●ニューロン、受容体の性格など
他の半量が伝達物質であるらしい。
受容体サブタイプはH₁~₃
●伝達物質
・エンドルフィン類
・エンケファリン類
●作動性ニューロン・特色
脳脊髄全域に分布
●ニューロン、受容体の性格など
この作動性はナロキソン(麻薬拮抗薬)で遮断される。
脊髄背核での役割が重要。
●伝達物質
・サブスタンスP
●作動性ニューロン・特色
脳脊髄
●ニューロン、受容体の性格など
●伝達物質
・その他のペプチド
●作動性ニューロン・特色
脳脊髄
●ニューロン、受容体の性格など
ペプチドを合成できるのはニューロン細胞体だけであるから伝達物質になるためには長い軸索を通る移動が必要である。
神経ホルモン(neurohormones)
視床下部に細胞体を持つ一部のニューロンから下垂体門脈系に放出され、下垂体前葉のホルモン分泌細胞からホルモンを分泌させるホルモンは神経ホルモンと呼ばれてきました。
視床下部のこれらのニューロンは脳幹や脊髄のニューロンに軸索を送っており、そのシナプスでは神経ホルモンと同一の物質が伝達物質として興奮を伝達しているらしい。
神経調節物質(neuromodulators)
シナプス以外の部位で放出され、近傍のニューロンの興奮性に影響を与える物質。
中枢神経系内でニューロンや星状細胞(astrocytes)から放出されるCO₂、アンモニア、アデノシン、プロスタグランジン類などが挙げられる。
神経仲介物質(neuromediators)
シナプスでの興奮伝達によってシナプス後ニューロンの細胞内で興奮や抑制を仲介する物質で、cAMP、CGMPやCa²⁺が挙げられている。
