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セロトニンとその拮抗薬

セロトニン オータコイドと抗炎症薬

 
 
セロトニン(serotonin)はトリプトファンから生成されるアミンですが、その化学名(5-hydroxytryptamine)から5-HTと呼ばれることも多い。
 
 

体内動態

 
 
セロトニンは水溶性が高く、有機溶媒には殆ど溶けない。セロトニンは食・飼料中にかなりの量が含まれているが、吸収されにくいと予想されるし、吸収されても腸管壁、肝、肺で分解されるので循環血中には入らない。
 
 
注射後の体内分布性はよいが中枢神経系には分布しない。
 
 
体内では代謝によって速やかに消失する。
 
 
●薬理作用
 
 
平滑筋や神経系にはセロトニンが特異的に結合して作用する受容体(5-HT₁~₃)があり、5-HT受容体とかトリプタミン受容体と呼ばれている。
 
 
セロトニンの薬理作用には動物種差が大きい。
 
 
●循環系
 
 
一般には投与後に一過性の血圧上昇があり、その後に持続性の血圧低下が続く。
 
 
この低下は小動脈の弛緩による。齧歯類では毛細管の透過性を高めるが、他の動物種にはこの作用が認められない。
 
 
●脈管外平滑筋
 
 
一般に収縮するが、組織内の神経節細胞の受容体に働く関節作用と平滑筋細胞の受容体に働く直接作用の両方で働く。
 
 
●中枢神経
 
 
セロトニンは脳脊髄に移行しないが、前駆物質の5-HTPを投与すると中枢神経に分布し、神経組織内でセロトニンに変換される。この結果の反応としては行動異常が認められる。
 
 

内因性セロトニン

 
 
●分布・生合成
 
 
体内のセロトニンの90%以上は胃腸管粘膜のクロム親和細胞中に存在する。残りは脳脊髄と血小板に分布する。齧歯類と牛では肥満細胞にも分布する。
 
 
胃腸管クロム親和細胞と脳脊髄のセロトニンは貯蔵部位で合成され、回転率も速い。血小板はセロトニンを合成できず、クロム親和細胞から分泌されたセロトニンを取込むらしい。
 
 
●生理的役割
 
 
中枢神経内のセロトニンは全域に分布するが、特に視床下部、扁桃核などに多く、生産酵素を伴って分布している。
 
 
これらのセロトニンの全てが中脳・延髄縫線核群に細胞体を持つニューロンの末端に蓄積されており、これらのニューロンの伝達物質だと考えられている。
 
 
それ故、これらのニューロンはセロトニン作動性または5-HT作動性ニューロン(tryptaminergic neuron)と呼ばれている。
 
 
縫線核群のニューロンは本能行動や体温に影響を及ぼす機能を持つといわれている。
 
 
胃腸管クロム親和細胞や血小板のセロトニンは生理的役割があるか否かさえはっきりしない。
 
 
●セロトニン拮抗物質
 
 
セロトニン受容体でセロトニンと拮抗する薬物としてはケタンセリン(ketanserin)と麦角由来のメチセルギド(methysergide)が知られている。
 
 
抗ヒスタミン薬の一部にもセロトニン拮抗作用を有する薬物があり、シプロへプタジン(cyproheptadine)がその代表的薬物です。

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